マネージャーがZ世代の社員の意欲を湧かせる方法

(※本記事は『THE CONVERSATION』に2025年2月27日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

机に置かれたパソコンに向かう女性と、笑顔で一緒に画面を見ている3人の男性
Z世代にとって、仕事の人間関係は重要だ。

充実感があり、やる気を引き出す仕事を見つけることは、多くの人にとって課題である。特にキャリアを始めたばかりの人にとっては、なおさら難しい。1997年から2012年に生まれたZ世代のプロフェッショナルは、個別化されたキャリアパスを求める傾向が強まっており、マネージャーは、彼らが仕事に意味を見いだせるよう支援しながら、組織の目標達成にも貢献する必要がある。

Z世代が「意味のある仕事」を求める姿勢を、特権意識の表れと捉えるマネージャーもいるかもしれない。しかし、それを軽視することは企業にとって大きな損失となり得る。研究によると、自分の仕事に意義を感じている社員は、仕事の満足度が高まり、それが生産性の向上につながることが示されている。一方で、このニーズを無視すると、離職率の上昇や「静かな退職」の増加を招く可能性がある。つまり、若手社員が仕事に意味を見いだせるよう支援することは、彼らの成長のためだけでなく、企業全体にとっても有益な戦略なのだ。

「意味のある仕事」に関する研究を行う教授として、私たちはマネージャーがどのように若手社員の成長を支援できるのかを探求した。共同研究者のケリー・ケネディ氏は、ベイラー大学でZ世代のプロフェッショナルへのインタビュー調査を実施し、その結果をリーダーシップ・コンサルタントのシャナ・ホッキング氏と共に分析した。その結果、キャリア初期の社員が仕事に意味を見いだすために重要な3つの要素が明らかになった。それは、「自己理解」「価値の創出」「人間関係」である。

これらの要素に働きかけることで、マネージャーはZ世代の社員が成長できる環境を整えることができる。

意義のある仕事の3つの鍵

自己理解

自己理解とは、自分が何者であり、何を大切にしているのかを知り、自身の強みや弱みを認識することである。研究によると、自己認識の向上は生産性を高め、仕事への関与度を高める効果がある

Z世代の社員が自己理解を深められるよう、彼らに自分の関心や活力を与えるものについて考える機会を提供するとよい。例えば、学生時代の経験、インターンシップ、重要な人生の節目などを振り返らせることで、自分が何に喜びを感じ、何がモチベーションの源泉となるのかを明確にできる。

また、多くのZ世代は、自分の価値観に合った仕事を求める傾向がある。特定の職種にこだわるのではなく、より広い視点で「自分の人生の目的」を意識するケースが多い。

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