サントリー食品 水の持続可能性向上へ活動方針を発表

サントリー食品インターナショナルは、「水のサステナビリティ活動方針」を策定した。2023年12月12日に、同社代表取締役社長の小野真紀子氏が活動方針発表会でその詳細を説明した。

サントリーグループでは2030年までに、全世界の自社工場の半数以上で、水源となる森の涵養活動を通じて、使用する水のより多くの水をそれぞれの水源に還元する「ウォーター・ポジティブ」の実現を目指している。国内では「天然水の森」活動を20年以上にわたって実施してきた。工場での節水や、全国22カ所で1万2000ヘクタールの水源林の保全、また社員が森林整備活動を実施するなどしている。国内においては、工場で使用する水の倍以上の水を涵養するようになっているが、海外も含めて2030年の目標の達成を目指していく。

サントリー食品インターナショナルは、サントリーグループの上場企業として清涼飲料水を主に取り扱っている。主力商品の1つが、国内でNo.1ブランドとなっている天然水だ。「直接的に水を商品としている企業であることから、グループ内でも水のサステナビリティ活動を率先して実施する必要があると考えています」と小野氏は話す。

今回公表した「水のサステナビリティ」活動では、まず国内では、天然水ブランドを通じた「ウォーター・ポジティブ」啓発活動を強化する方針だ。過去に実施してきたサントリー食品のサステナビリティ活動には、飲んだ後に小さくたたみやすいボトル開発といった、顧客が参加できる取組が好評を博してきたという。若い世代はエシカル消費の志向も強いことから、消費者を水環境の保全に巻き込むようなコミュニケーションを強化する。既に天然水の製品ラベルに「ウォーター・ポジティブ」に関する表示をしているが、2024年春にはさらにそれを目立たせるデザインとする。

海外では、まず国内で構築してきた水にまつわる子ども向けの教育プログラムの展開を強化する。2015年から活動しているベトナムでは、8年間で既に14万人が参加、水資源の重要性を学んできた。同活動の対象はサントリー食品インターナショナルが拠点を持つ国々で、ベトナムの他にはタイ、インドネシア、フランス、スペイン、ニュージーランドで啓発活動を実施している。  

水源涵養活動についても海外展開を進めていく。フランスに続き、2024年にはスペインのトレド県にある拠点で、地域と協働した水源涵養活動を開始した。スペインは水不足のリスクがある地域であり、水源の保全については地元の市議会とも連携協定を締結しているという。

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