海外で勝負を始めた中小企業

長引く不況と新興国の市場拡大によって、中小企業の戦略は海外展開にシフトしている。従業員わずか数人程度の企業が、自社製品を売るために積極的に海外展開を始めた。日本政策金融公庫の融資データから、海外展開の実情を読み解く。

日本政策金融公庫・国民生活事業本部 海外支援グループ 大東寿夫グループリーダー

今、中小企業が次々と海外を目指している。しかも、従業員数人から20人前後の小規模の企業が、チャンスを狙って海を渡っている。

小規模事業者向けの「海外展開資金」の融資を手がける日本政策金融公庫・国民生活事業本部の海外支援グループリーダー、大東寿夫氏は、この融資額が想定以上に伸びていると語る。

中小企業基本法では、「小規模事業者」とは小売・卸・サービス業の場合は従業員5人以下、製造業の場合は従業員20名以下の企業と定義されている。同公庫では従来中小企業者向けに取り扱っていた海外展開支援の融資制度を2011年12月より小規模事業者向けにも拡大し取扱いをスタート。7200万円が限度額で、海外への直接投資、海外企業への生産委託、海外への販売強化などを目的とする事業に資金を提供する。

「2012年度は通年で452社の融資実績がありましたが、13年度は1月までの10カ月間ですでに470社、前年比15%の増加です。中国との関係悪化で伸び悩むかと思いましたが、ASEANを中心に海外展開が進んでいます。

12年4月に全国152の支店に海外展開サポートデスクを設置して支援態勢を強化したほか、商工会議所や税理士の方などにもお声かけしたことで認知度が高まり、資金提供のニーズに応えることができました」

約6割が国外で自社製品を販売
チャンスを求めて世界各地へ

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