農林水産省 農業DX構想を発表

農林水産省は、2021年3月25日、「農業DX構想」を発表した。2021年1月に有識者からなる「農業DX構想検討会」を設置して検討した、農業DXの意義・目的、基本的方向、取り組むべきプロジェクトなどに関する議論をまとめたものだ。農業・食関連産業におけるデジタル技術活用の現状や、コロナ危機下の社会の変化を反映させたものとなっている。

「農業DX構想」の目的は、データ駆動型の農業経営により、消費者ニーズに対応した価値を創造・提供する農業(FaaS、Farming as a Service)への変革を進めること。この方針は、2020年3月31日に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」で定められていた。2030年を展望しながら、多種多様なプロジェクトをデジタル技術の進歩や農業構造の変化に応じて機動的に実行していく計画だ。

農業DXの実現に向けては、農業・食関連産業の「現場」系プロジェクトとしてスマート農業の推進、農業経営・動物衛生・流通・食品産業などでのデジタル技術の活用を取組課題として挙げている(月刊事業構想2020年10月号参照)。また、農水省の業務そのものについても、デジタル化を進める対象となっている。さらに、現場と農水省とをつなぐデジタル基盤の整備にも取り組む方針だ。

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