順天堂 性感染症のセルフチェックアプリを公開

順天堂大学医学部総合診療科学講座の内藤俊夫教授らの研究グループは、性感染症(STI)の受診促進や予防および罹患リスクのデータ集積を目的とした、性感染症セルフチェックのためのスマートフォンアプリ「STI OMOIYARI」のiOS版を開発し、公開した。2020年12月24日に発表した。このアプリは、医学研究をサポートする目的で開発されたAppleのアプリケーション専用フレームワーク「ResearchKit」を使用し、開発したものだ。

「STI OMOIYARI」は、匿名で性感染症のセルフチェックが可能なアプリ。性感染症の自覚症状や体の不調などについてアンケートに答えることで、罹患している可能性のある性感染症を確認できる。罹患の可能性がある場合、郵便番号を入力すると、最寄りの保健所が検索できる機能も付けた。受診やワクチン接種を忘れないようにするためのカレンダー機能や、主なSTIについて学べる教材もついている。

内藤教授らは、アプリを介して収集したビッグデータを解析することで、これまでよく分からなかった性感染症罹患者数の推測や、性感染症ワクチンの有効性などについて把握できるようになると期待している。なおユーザーのデータは匿名化し、プライバシーを守っている。

日本国内ではSTIの蔓延が問題となっている。梅毒患者は急増しており、HIVの新規感染者は先進国で唯一、増加に歯止めがかかっていない。A型肝炎・B型肝炎・尖圭コンジローマ(ヒトパピローマウイルス感染症)などの性感染症はワクチンで予防可能であるにも関わらず、ワクチンの認知度は低い。研究グループでは、アプリを通じて収集した知見を生かし、今後の予防法や治療法向上へつなげることを目的としている。

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