事業構想大 コロナ後の事業を構想するオンラインセミナー開催

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学は、2020年4月25日、オンライン特別セミナー「ポストコロナを見据えた事業構想の考え方」を開催した。事業構想大学院大学の院生・修了生に向けたもので、現在の厳しい局面から新しい事業を構想するためのヒントを探った。同セミナーは5月中にも3回の開催を予定している。

初回のテーマは「危機の乗り越え方」。事業構想大学院大学の松本三和夫教授下平拓哉教授岡部聰特任教授と進行役の岸波宗洋教授の4名による鼎談形式で実施した。

科学技術の社会学、エネルギー・環境問題を専門とする松本教授は、「コロナウイルス感染の拡大により、サプライチェーンの国内回帰と、問題解決で国際的に協力するためのSDGsの枠組みのようなグローバル化の進行という、相反する動きが生じている。各国がその社会構造に合わせてこの2つの両立を検討して、日本がどうするかについてもいくつかの道が考えられる。皆さんも事業を構想する際はぜひこれも視野に入れて考えてほしい」と話した。

戦略、危機管理、リーダーシップが専門で、元海将補の下平教授は、「パンデミックだけでなく、地震や気候変動に伴い激甚化する災害など、脅威が多様化している。国家レベルの方針や戦略を作っていくべき。様々な災害現場で働いてきたが、日本人は災害が終息すれば忘れてしまい、次に生かせないという特徴があるように思う。問題意識を持ち、様々なシナリオを組んで訓練をする必要がある」と指摘した。

元トヨタ自動車専務取締役 新興国担当でグローバルビジネスを専門とする岡部特任教授は、新型コロナウイルス感染症が企業経営に与えた影響として「企業の長期的な意味での安定性を考えると、地域に根差したビジネス、サプライチェーンがなければリスクに対応できないことが可視化された」と指摘。とはいえコストを最適化するために海外企業と手を組む必要もあるため、グローバルとローカルでリスクのバランスを取れるよう、情報システム活用の重要性が増す、と話した。

ポストコロナを考えるオンライン特別セミナーのテーマは、5月2日に「新たなビジネスモデルの創出に向けて」、9日に「地域の持続可能性と成長を目指して」、13日に「新しいビジネスモデルの開発に向けて」。各回それぞれ異なる事業構想大学院大学の教授陣がコロナ危機後の社会について議論する。

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