eスポーツ活性化に必要な要件 JeSUが公表

一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)は、「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」(e活研)の報告書をウェブサイトで公開したと、2020年3月13日に発表した。e活研は、経済産業省委託事業「令和元年度新コンテンツ創造環境整備事業(eスポーツに係る市場規模等調査分析事業)」により開催したものだ。

検討会では、国内eスポーツ市場規模の試算、海外主要国のeスポーツ発展の経緯に関する調査・分析と、eスポーツの社会的意義についてを主要テーマとして議論した。eスポーツの有識者と、今後、経済波及効果が見込まれる産業領域の企業・団体からの参加者、計16人が2019年9月から5回にわたって会議を持った。

まず市場規模について、検討会では国内の直接市場(大会、チーム運営等による収入)の長期目標は、2025年に600億~700億円であるとした。2025年以降も市場規模を拡大させる余地はあると見ている。関連する経済活動、波及領域へ及ぼす経済効果を含めると、全体の長期目標は2025年に2850億~3250億円にのぼった。これには、eスポーツイベントを訪れた観客による飲食店利用や小売店利用なども含んでいる。このような推定を踏まえ、検討会では、長期的な日本のeスポーツ市場の成長に向けた提言を作成した。

さらに、eスポーツの社会的意義については、スポーツ庁が「第2期スポーツ基本計画」で定義する「スポーツの価値」を枠組みとして提言をまとめた。国民の人生を楽しく健康で生き生きとしたものにするためにeスポーツが貢献できるように、ブートキャンプを開催したり、エビデンス研究に助成したりすること、地域・経済の活性化に資する都市対抗のリーグや、地方での大会施設の設置などを掲げている。

同検討会での今後の検討事項としては、ゲームタイトル利用・許諾に関するガイドラインの必要性、共生社会や地方創生の実現に向けeスポーツ情報を発信する拠点の整備、eスポーツの持つ教育的価値の探索とそれを実証するエビデンスの取得、の3つを挙げた。

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