住友商事、西粟倉村ほか 森林管理ツール開発を開始

住友商事と西粟倉村、DATAFLUCT(東京都千代田区)は、森林所有者のための森林管理ツールの開発に向けた実証実験を開始した。2019年12月23日に発表した。

3者は、森林所有者向けの森林管理アプリを開発し、所有面積や木材の体積、年間二酸化炭素吸収量といった所有林の正確なデジタル情報を提供する。さらに、所有者が専門家に森林資産の運用、相続を相談できる仕組みを整備し、アプリの活用状況や課題を検証していく。実証地として西粟倉村(月刊事業構想2019年6月号参照)を選んだのは、林野行政に積極的に取り組むSDGs未来都市であるため。アプリ開発は、JAXAベンチャー認定企業であるDATAFLUCTが手掛ける。プロトタイプ開発は2020年2月末ごろに完了し、2020年3月以降に、西粟倉村の森林所有者に提供を始める。住友商事は、実証実験を通じて、森林のデジタルデータを活用した新しいビジネスの開発を進める。

この実証事業は、住友商事の社内起業制度「0→1チャレンジ2018(ゼロワンチャレンジ2018)」にて新規ビジネスの優れたアイデアとして選出されたもの。また、林野庁が主催した次世代型サスティナビリティ事業共創プログラム「Sustainable Forest Action」においても優秀賞を受賞した案件だ。

高齢化、後継者不足などにより、放置される森林が各地で問題になっていることから、2019年4月には、手入れが行き届いていない私有林を各自治体がまとめて管理できるようにする「森林経営管理法」が施行された。また、温室効果ガス排出削減や災害防止整備等などの財源確保のため、森林環境税が導入されている。

林.jpg