市場拡大中のスマートウィンドウ、再エネ熱利用暖房のトレンドになるか
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年12月4日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

世界のエネルギー需要は、都市の成長、技術の進歩、産業の発展により増加し続けている。建築物が消費するエネルギーは、全体の約30%〜40%を占めており、産業や輸送を上回る。主に暖房、冷房、換気システムによるもので、特に空調はエネルギーを大量に消費する。
窓はこの問題の大きな要因となっている。冬には熱が逃げ、夏には熱が流入するため、温度調節システムはより多くのエネルギーを消費し、排出量が増加する。課題は、窓の透明性や採光性を損なうことなく、この熱伝達をコントロールすることで、いずれも人々のウェルビーイングと生産性に不可欠な要素だ。
スマートウィンドウが、この解決策になる。現在市場に出回っているバージョンのほとんどは、エレクトロクロミック(EC)と呼ばれるタイプで、ボタンに触れるとガラス内部の粒子や結晶層に電気を通すことで機能する。
この仕組みによって可逆的な分子変換が起こり、製品に応じて窓が不透明または暗くなる。また、部屋を不快なほど暖かくする赤外線を大幅に遮断してくれる。ピーク気温の時でも60%〜70%の熱を外部に逃すので、暑い国では冷房の必要性が大幅に減る。また、寒い天候では部屋からの熱損失を約40%削減できる。
この数年間で、こういった窓の売れ行きは、商業用と住宅用の両方で好調だ。2023年の世界市場全体の規模は66億米ドル(52億ポンド)に達すると推定されている。
続きは無料会員登録後、ログインしてご覧いただけます。
-
記事本文残り77%
月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!
初月無料トライアル!
- 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
- バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
- フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。