IPCC作業部会 地球の気温上昇を予測する報告書の要約を公表

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、IPCC第6次評価報告書(AR6)WG1報告書(自然科学的根拠、以下AR6/WG1報告書)の政策決定者向け要約(SPM)を2021年8月9日に公表した。この報告書は、2021年7月26日から8月6日にかけてオンラインで開催されていた第54回総会、同パネル第1作業部会(WG1)第14回会合で検討していたものだ。

AR6/WG1報告書は、気候の現状、将来ありうる気候、リスク評価と地域適応のための気候情報、将来の気候変動の抑制について取りまとめている。将来の世界の平均気温については、「報告書で考慮した全ての排出シナリオにおいて、少なくとも今世紀半ばまでは上昇を続ける」とし、その上昇の幅は「向こう数十年の間に二酸化炭素及びその他の温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、21 世紀中に、地球温暖化は 1.5℃及び 2℃を超える」という。

2013年の第5次評価報告書(AR5)WG1報告書以来、8年ぶりとなるAR6/WG1報告書の検討には、各国政府の代表、世界気象機関(WMO)や国連環境計画(UNEP)などの国際機関から300名以上が参加した。日本からは、外務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、気象庁、環境省などから、計21名が出席。また報告書の執筆には、日本から10人の研究者が参画している。AR6/WG1報告書のSPMについては、政府が日本語訳を作成し、8月下旬ごろにも気象庁のウェブサイトで公開する予定。