ピンク・シティ・リキシャ、女性たちを“運転席”へ
(※本記事は『reasons to be cheerful』に2025年7月28日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

インド・ジャイプールで、女性だけの会社が持続可能で本格的な観光ツアーを提供しつつ、ドライバーとなった女性たちに収入と自立の機会をもたらしています。
毎朝、33歳のプーナム・デヴィさんは10代の娘たちを学校に送り出すと、サリーを脱いで動きやすいサルワール・カミーズ(ゆったりとしたズボンと長いシャツの組み合わせ)に着替え、ピンク色の電動リキシャに乗って仕事を始めます。
この街ではいまも「ジャングルでヒョウを見る方が、リキシャを運転する女性に出会うより簡単だ」と冗談が交わされるほど、女性のドライバーは珍しく、彼女は道行く人々の注目を集めます。「2018年からこのリキシャを運転していますが、いまだにジロジロ見られますよ」と彼女は言います。それでも、やりがいは十分にあると語ります。「伝統的なラジャスタンの家庭では、女性は家と近所の範囲に閉じ込められていることが多いんです。でも、リキシャを運転して、世界中から来る観光客と話すうちに、世の中には面白い人、場所、経験があふれているんだと気づきました」。

プーナムさんは、インドの非営利団体ACCESS Development Servicesによって電動リキシャ(地元では「eオート」と呼ばれる)の運転を学んだ約200人の女性のうちの1人です。ACCESSは2006年に設立され、革新的なビジネスの支援や、貧困層への生計手段の提供を目的としています。この団体が2016年にジャイプールに進出した当時、同州の労働力に占める女性の割合は、2011年の国勢調査によるとわずか3分の1程度。そのうち75%以上が農業に従事しており、収入は少なく、労働環境も過酷でした。
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