オリンパス CVCファンドに最大313億円追加出資

オリンパスは、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)ファンド「Olympus Innovation Ventures Fund II」(OIV Fund II)への追加出資を決定したと2025年12月15日に発表した。OIV Fund IIの総投資額は1.5億米ドルを予定している。これによりOIVの出資総額は2億米ドル(約313億円)に達する見込みで、アーリーステージ企業への投資を通じて、内視鏡医療を中心としたメドテック領域でのイノベーション創出を加速させる。

今回の追加出資は、2025年11月に発表した新経営戦略と連動している。同戦略では「グローバル・メドテックカンパニー」としての発展を掲げ、次世代イノベーションと成長市場での事業拡大を軸に、年率3〜5%の売上高成長率の持続を目標に設定した。

成長実現の具体策として、オリンパスは3つの方向性を示している。1つ目が、重点投資によるポートフォリオの強化。2つ目が、「OLYSENSE」やロボティクス技術による内視鏡医療の革新。3つ目が、中国市場の業績向上と新興国での成長戦略確立、そして関連分野におけるタックイン M&Aの推進である。OIV Fund IIへの追加出資は、これらの戦略を外部イノベーションの取り込みによって補完する役割を担う。

Olympus Innovation Venturesの設立は2021年10月。米マサチューセッツ州に拠点を置く。オリンパスの米国子会社Olympus Corporation of the Americasが100%出資する連結子会社であり、当初5000万米ドルの投資からスタートした。OIV Fund IIの投資方針は、前身のFund Iを踏襲する。他にはない技術を持つアーリーステージ企業を探索・特定・審査し、投資を実行していく。オリンパスの技術と関連性のある技術・サービスを持つ起業家・企業とのパートナーシップ構築を重視している点が特徴だ。

オリンパスは「今後の投資機会に応じて実施する」とし、案件ごとの具体的な出資額や時期は未定としている。有望な機会の出現に合わせて複数回の増資を行い、最終的に2億米ドルの出資枠を活用する計画だ。