テムザック、ineRobo 中山間地域の稲作ロボット化で業務提携
サービスロボットメーカーのテムザック(京都市、月刊事業構想2022年12月号参照)と、2025年10月に設立されたスタートアップineRobo(福岡県宗像市)は、中山間地域における米づくりの維持・発展に向け業務提携した。2025年12月12日に発表した。
両社で小型農業ロボットの共同開発から量産化・サービス化に取り組み、大型農業機械が入れない中山間地域の稲作に適したソリューションを提示する。テムザックがロボット技術の提供、技術支援、メンテナンスなどを担い、ineRoboが事業企画、マーケティング、資金調達、農産品の販売システム構築などを担当する。小型・低コスト、取り扱いが容易なロボットで、地域社会全体で農地を維持する仕組みの構築を目指す。
業務提携の内容は4点。まず、中山間地域の水田・畦管理に最適化した小型農作業ロボットの共同開発。次に、2026年春から西日本エリアを中心とした複数圃場でのパイロット運用を実施し、現場からのフィードバックを製品改良に反映する。
さらに、SaaS型サービスとハードウェアを組み合わせた提供モデルの構築、そしてロボットが取得する環境・作物データをineRoboの水田運営プラットフォームへ連携し、収量予測や病害リスクの可視化にも活用していく計画だ。
テムザックは2022年12月に宮崎県延岡市、北浦町農業公社と連携協定を締結し、「WORKROID農業」として省力化稲作の実証を重ねてきた。「雷鳥シリーズ」と呼ばれる小型農業ロボット群(写真)を開発し、収穫した米を「雷粉」として米粉化・販売するなど、出口戦略も含めた一気通貫の取り組みを進めている。