レコテックの資源循環データ基盤「pool」、東京都の大規模事業所約50施設が導入

資源循環データ基盤「pool」を手がけるレコテック株式会社は、同社の「pool」を東京都の大規模事業所約50施設が2026年11月の1か月間導入すると発表した。各施設の排出量と品目をデータで把握したうえで、近隣の施設をまとめた共同回収ルートを検討し、これまで焼却されてきた廃プラスチックや古紙を資源として再生できるかを検証する。

背景にあるのは、1施設あたりの排出量の少なさという課題だ。オフィスなどの事業所では、施設ごとに収集運搬事業者と契約してごみを回収するのが一般的だが、1か所から出る廃プラスチックや古紙は量が限られる。マテリアルリサイクルに回すにはまとまった量と品質が必要となるため、廃プラスチックは燃やして熱を回収する処理が主流となり、紙コップや付箋、紙の空き箱といった難再生古紙は可燃ごみとして処理されることが多かった。資源になりうるものが、量がそろわないために焼却に回っていた。

この壁を越える鍵として使うのが「pool」である。「pool」は、ごみの排出・計量・回収・再資源化・調達に関する情報を一つのデータ基盤でつなぐサービスで、横浜市の約1,200の公共施設などで利用されている。今回の実験では、一部の施設に計量器を置き、排出した時点で重さと品目を記録する。ほかの施設では回収後の報告をもとに重さを入力する。こうして「どの施設から、どの品目が、どれだけ出ているか」が可視化されれば、近い施設を一つのエリアとして束ね、まとめて回収するルートを組める。排出事業者、収集運搬事業者、再資源化事業者が同じ排出データを共有できる点が「pool」の特徴で、レコテックはそのデータをもとに効率的な回収ルートを提案する。

取り組みは二段階で進める。11月1日から30日までは、約50施設で排出状況を把握する。続く11月16日から27日までは、そのうち約10施設で共同回収とマテリアルリサイクルの実験を行う。廃プラスチックは再びプラスチック製品の原料に戻し、難再生古紙はトイレットペーパーへと再生する。本取り組みは、東京都スタートアップ戦略推進本部の「課題即応型官民協働ブーストアップ事業」に公募・審査を経て選定されたものだ。

東京都の「ゼロエミッション都庁行動計画(2025〜2030年度)」では、出先事業所におけるマテリアルリサイクルルートの構築が2030年度の目標に掲げられており、今回の実験はその実現に向けた検証となる。データで排出の実態を見える化し、複数施設をまとめて効率的に資源を回収する仕組みが確立できれば、大規模事業所が集積する都市部での資源循環の進め方に一つのモデルを示すことになりそうだ。