ダイナミックマッププラットフォームと東芝、インフラ協調型モビリティ基盤の高度化へ協業検討を開始

高精度3次元地図データを手がけるダイナミックマッププラットフォーム株式会社は、東芝が実施するオープンイノベーション支援制度「Toshiba OPEN INNOVATION PROGRAM 2026」に採択され、東芝が開発する空間認識センサー「Hybrid-3D LiDAR」と自社の高精度3次元地図データ・情報連携技術を組み合わせた協業検討を開始した。自動運転や遠隔運行が広がる一方で、車載センサーだけでは交差点の死角や遠方、夜間・悪天候下の状況把握に限界があり、インフラ側から情報を補う仕組みが求められている。両社は、道路や施設などインフラ側のセンサー情報で車両を支える「インフラ協調型モビリティ基盤」を高度化し、この課題の解消に取り組む。

検討の中心となるのは、Hybrid-3D LiDARが検知した車両や歩行者などの動的情報を、3次元地図上の位置情報と紐付けて車両や運行管理システムへ提供する仕組みである。Hybrid-3D LiDARは長距離かつ高精度の測距を特長とし、夜間や雨・霧といった視認性の低い環境でも空間を認識できる。検知した物体をダイナミックマッププラットフォームの高精度3次元地図と重ね合わせることで、その位置を地図上で正確に扱えるようになり、車載センサーが捉えきれない死角や遠方の状況を補える。ここに両社の技術を組み合わせる技術的な意味がある。

役割分担として、ダイナミックマッププラットフォームがインフラ協調型モビリティ基盤の開発と高精度3次元地図・情報連携を、東芝がHybrid-3D LiDARによるセンシングを担う。両社は、検知対象とする動的情報の種類やデータ形式、地図との位置合わせ、処理の即時性、通信方式、情報の安全性などを検討項目に据える。2026年12月中旬に予定される成果発表会に向け、公道の交差点や、物流施設・工場・港湾・空港・建設現場といった閉域環境を想定したユースケースやシステム構成、データ連携方式を固めていく。

車載センサーに加えてインフラ側から交通環境を把握する重要性は、自動運転や遠隔運行の普及とともに高まっている。インフラと車両が情報を共有する基盤が整えば、見通しの悪い場所での事故リスクの低減や、閉域環境での運行管理の高度化につながり得る。今回の協業は、路車協調の実用化を見据えた基礎的な検証と位置づけられる。両社は実証を通じて情報連携の有効性と事業化の可能性を検証し、将来的にはカメラやレーダーなど他のセンサーとの連携も視野に入れている。