パーム油の代替原料供給へ　花王、Geno等と米国でベンチャー設立

花王は2022年9月29日、パーム油由来の原料に代わる植物由来原料の商業化を目指す米国のベンチャー企業の設立に参画すると発表した。同ベンチャーはサステナブル素材を開発するGenoと消費財大手のユニリーバが1億2千万ドル（約170億円）を共同出資して設立、花王もここに追加出資を行う。出資額は非公表。

加工食品のほか石鹸や化粧品の原料に使われるパーム油は、生産に伴う多量の二酸化炭素排出が問題となっている。Genoの技術に基づき同ベンチャーが供給する植物由来の代替原料は、パーム油由来原料に比べ、最大50％の二酸化炭素排出削減が見込まれる。 

花王の出資により同ベンチャーはパーム油代替原料の生産能力を増強、花王はホームケアやパーソナルケア自社製品にパーム油代替原料を使用すると共に、その誘導体をケミカル事業顧客へ供給する。花王は2040年までにカーボンゼロ、2050年までにカーボンネガティブという目標を掲げており、今回の出資はその目標達成に向けた一環。