第6次エネルギー基本計画を閣議決定 2030年には再エネを主電源に

政府は2021年10月22日、第6次エネルギー基本計画を閣議決定した。2018年の第5次エネルギー基本計画策定時から、エネルギーをめぐる情勢は大きく変化している。そこで第6次基本計画は、脱炭素化や国際的なエネルギー安全保障における緊張の高まりなどを反映したものとなった。

第6次エネルギー基本計画の重要テーマは2つある。1つは、2020年10月に表明された「2050年カーボンニュートラル」や、2021年4月に表明された新たな温室効果ガス排出削減目標の実現に向け、エネルギー政策の道筋を示すこと。2つ目は、気候変動対策を進めながら、日本のエネルギー需給構造が抱える課題の克服に向け、安定供給の確保とエネルギーコストの低減に向けた取組を示すこと。

また、より近い未来のエネルギー政策として、2030年に向けた政策を示した。ここではまず、再生可能エネルギーを主電源化すること、蓄電池などの分散型エネルギーリソースを活用したアグリゲーションビジネスを推進することを挙げている。省エネ法を改正し、その対象に非化石エネルギーを含め、エネルギー全体の使用の合理化や、非化石エネルギー導入拡大を促す規制体系へと見直すことを検討するという。

さらに、水素を新しい資源として位置づけ、供給コストを化石燃料と同等水準まで低減させるとともに、供給量の引上げを目指す。発電部門においては、ガス火力への30%水素混焼や水素専焼、石炭火力への20%アンモニア混焼の導入・普及などを2030年までの目標に掲げた。

2030年度におけるエネルギー需給の見通しでは、「野心的な見通し」として、電源構成のうち再生可能エネルギーを36~38%とした試算を提示した。この場合、温室効果ガスの削減割合は46%に達する。また、エネルギー自給率は30%にまで上昇する。ただし、これを目指す施策を実施する際には、電力の安定供給が保たれるよう十分考慮する必要がある、と指摘している。