WHEREとパワーエックスが業務提携 蓄電所開発の用地取得を支援

不動産探索のためのAIツール「WHERE」を提供するJAXA発スタートアップのWHERE(東京都文京区)は2026年5月7日、エネルギーテック企業のパワーエックスと業務提携したと発表した。衛星データとAIを活用した同ツールを使い、パワーエックスが手掛ける系統用蓄電所の自社開発に向けた用地取得を一気通貫で支援する。

「WHERE」は衛星データとAIを活用し、土地の所有者情報を確認できる不動産AIツール(関連記事)。今回の提携では候補地の探索にとどまらず、系統接続条件、ハザードリスク、土地規模、権利関係など蓄電所開発特有の選定基準を踏まえたスクリーニングまでを実施し、パワーエックスのビジネス開発リソースを営業活動等のコア業務に集中させる体制を整える。両社は候補地探索・スクリーニング業務と反響対応業務を起点に、さらなる協業の拡大も視野に入れている。

背景にあるのは、2050年カーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギーの急速な導入拡大だ。2023年度の出力制御量は約18億kWhに達し、再エネの「受け皿」となる大規模蓄電設備の整備が急務となっている。2022年の電気事業法改正により出力10MW以上の系統直結蓄電システムが「発電事業」として位置づけられ、系統用蓄電所市場は年率40%以上の成長が期待される一方、送電線に近接した平坦地の確保や地権者との権利関係整備など、用地パイプラインの構築が業界共通の課題となっていた。

WHEREは「宇宙から地球の不動産市場を変える」というビジョンを掲げる、2022年設立のJAXA発スタートアップ。創業者の阿久津岳生氏は、これまでに8社の不動産関連企業を起業・経営してきた経験を持ち、JAXA宇宙科学研究所内の総合研究大学院大学で宇宙技術の研究に取り組みながら、衛星データとAIを活用したオフマーケット探索AI「WHERE」を開発した。

パワーエックスは岡山県玉野市で大型蓄電池「Mega Power」を製造している。系統用蓄電所事業を中核に、EVチャージステーション事業や法人向け再エネ電力供給サービス「X-PPA」を含む電力事業などを展開しており、2025年12月には東京証券取引所グロース市場に上場した。

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