農水省林業白書 気候変動に対応した治山対策を解説

2023年5月30日、「令和4年度森林・林業白書」が閣議決定された。今回の白書では、特集として「気候変動に対応した治山対策」を取り上げた。治山事業とは、森林を守り育てることによって様々な機能を発揮できるようにするもので、山崩れで傷んだ森林を補修する、放置された森林を手入れし日光が差し込む健康な森に戻す、などの活動がある。今回の白書では、これまでの治山事業の取組と成果について紹介するとともに、気候変動による山地災害の激甚化・形態変化、気候変動などに対応した今後の治山対策について説明している。

この他には、森林経営管理制度や森林環境譲与税の現況・活用事例、スギ花粉症対策の推進状況「森林の整備・保全」の章、ここ20年で最高水準となった林業産出額、「新しい林業」の取組など林業の動向や、山村活性化について記述した「林業と山村(中山間地域)」、中高層建築物での木材利用の拡大、クリーンウッド法の見直し、木材産業の動向などを記述した「木材需給・利用と木材産業」の章などがある。

トピックスとしては、2022年度における特徴的な動き、例えば太陽光発電の適正な導入に向けた林地開発許可制度の見直しや、しいたけの植菌地を原産地とする表示がスタートしたこと、などを紹介している。さらに、2023年度予算に基づき、森林・林業施策の概要を整理し説明した。

治山イメージ