企業版ふるさと納税大臣表彰 伊豆市ほか4自治体・3企業が受賞

内閣府は2026年1月16日、東京・虎ノ門のベルサール虎ノ門で「企業版ふるさと納税に係る大臣表彰式」を開催した。地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の活用において特に顕著な功績を上げた自治体・企業として、地方公共団体部門で4団体、企業部門で3社が表彰された。

黄川田仁志・内閣府特命担当大臣(地方創生)は冒頭の挨拶で、2024年度の企業版ふるさと納税の寄附金額が2023年度比約1.3倍の約631.4億円に達したことを紹介。企業と自治体が連携し、民間の知恵や資金を活用した地域波及効果の高い取組が増えていることを称えた。

自治体部門では、まず静岡県伊豆市は「災害死者ゼロ」を目標に掲げ、慶應義塾大学SFC研究所と連携協定を締結。中学校でXR技術を活用した先端的な防災教育を実施し、大学生と中学生の双方向型学習を展開している。寄附企業はグランバーで、創業者である大川吉美氏が伊豆市の出身であることから、静岡銀行の仲介で寄附が実現したという。同事業への寄附金額は370万円。企業版ふるさと納税の人材派遣型制度と寄附金を活用し、教育・防災・地方創生の複数分野を横断した事業となっている。

愛知県豊田市は、市域の約7割を占める山村地域の高齢者の移動課題に対し、超小型電気自動車の貸し出し事業「里モビニティ」を展開。名古屋大学と連携して事業の検証を行いながら、高齢者が運転を継続できる環境を整備している。寄附総額は1000万円で、丸尾計画事務所、社会システム総合研究所、兵庫ベンダ工業、トヨタカローラ名古屋が寄附した。

三重県四日市市は公害の歴史と教訓を踏まえ、ゼロカーボンシティを宣言。コスモ石油からの、累計額2500万円の寄附を活用して市内路線バスのEV化を推進。官民共創によるカーボンニュートラル啓発の仕組みを構築した。

鳥取県日南町は町域の9割を占める森林を活用した循環型林業を推進。広島建設ほか27社の寄附企業の社員が研修として森林保全活動に参加する仕組みを整え、継続的なパートナーシップと関係人口の創出につなげている。寄附額は1660万円。

企業部門の受賞者のアプローチはさまざまだ。アサヒビールは、「祭り・花火の支援」「食文化の継承」をテーマに、全国の自治体から寄附先を公募形式で選定。15団体に計1億円を寄附、自治体の主体的な事業構想を促す積極的な支援姿勢が評価された。ジー・オー・ピー(東京都渋谷区)は建設・仮設資材の開発・販売企業で、宮城県で防災・農業や女性活躍支援などの継続的な支援を実施、寄附累計額は9000万円にのぼる。寿精版印刷(大阪市)は40年にわたる越前和紙との縁を生かし、1000万円を福井県越前市に寄附。伝統工芸の技術継承に企業版ふるさと納税を通じて貢献している。

内閣府では、企業版ふるさと納税の活用を促進することを目的に、2018年度から毎年度、その制度の活用において、特に顕著な功績を上げ、他の模範となると認められる活動を行った自治体・企業を内閣府特命担当大臣(地方創生担当)から表彰している。