経産省RESAS 中小企業の経営分析に向け機能を拡充
経済産業省は2025年10月10日、地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」の大幅なアップデートを実施したと発表した。新メニューの追加やデータの拡充により、中小企業経営者や地方自治体職員、研究者など多様なユーザーがより簡単にデータを活用できる環境を整備した。
今回のアップデートでは、新たに「中小企業経営分析」メニューを追加。中小企業実態基本調査のデータを活用し、業種別の従業者数、資産・負債、売上高・費用、海外展開・輸出、設備投資・リースなどの情報を単年および時系列で確認できるようにした。これにより、自社の業界における立ち位置や経営状況を客観的に把握することが可能となる。
RESASの公式ホームページより
また、既存の「経営環境分析」機能も強化した。「経営環境分析シート」に出力できる情報を拡充し、付加価値額の経年推移や業界の主要財務データなどを幅広く盛り込んだ。さらに産業構造マップの産業構造分析と製造品出荷額分析のデータも最新版に更新した。これらのアップデートにより、RESASが中小企業のより実践的な経営判断に活用されることを期待している。
RESASは経産省と内閣官房が2015年から提供している国内最大級のオープンデータプラットフォーム(月刊事業構想2024年1月号参照)。地域経済に関する官民のビッグデータを地図上やグラフで視覚的に表示できる。利用は無料で、ID登録などの事前手続きは不要で、誰でも手軽に利用できることから、地方創生や中小企業支援の現場で広く活用されている。