有限会社のM&A 売却時の注意点や必要な手続きについて解説

(※本記事は日本M&Aセンターが運営する「M&Aマガジン」に2024年8月1日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

会社の形態には、株式会社をはじめ、合同会社や合資会社、合名会社などさまざまな種類があります。このように様々ある会社の形態の一つが、有限会社です。法改正によって、現在では有限会社を新規に設立することは認められていませんが、今でも多くの有限会社が事業を展開しています。

本記事では、有限会社の概要、有限会社のM&Aについて解説します。

有限会社とは

有限会社とは、 2006年5月に会社法が施行される以前に設立された会社形態の一つ です。

会社法の施行により株式会社が「資本金が1円以上、取締役が1名以上」と設立のハードルが緩和され、株式会社と有限会社を区別する意義がなくなったため、有限会社法が廃止されました。

現在残っている有限会社は、正しくは「 特例有限会社 」であり、会社法上は「株式会社」として区分されます。所定の手続きを経て、株式会社などへ移行することも可能です。

冒頭の通り、現在有限会社は新たに設立できず休廃業や解散により年々減少していますが、約16万社が特例有限会社として存続しています。

会社形態 総数
株式会社 102万4,428社
特例有限会社 16万9,562社
合名会社 11万5,190社
合資会社 2,995社
合同会社 807社

※日本の会社形態の総数(2023年)総務省統計局「登記統計 商業・法人 年次 2023年」(2024年5月公開)より抜粋

有限会社と株式会社の違い

有限会社(特例有限会社)の主な特長は、以下の通りです。

新たに設立できない

株式会社の大きな違いは、前述の通り現在新設できない点です。 株式会社は資本金1円以上で設立でき、取締役も1名以上と設立のハードルが低くなっていることが特徴的です。

役員の任期の制限がない

株式会社の役員は基本的に2年(定款の定めにより最短1年から最長10年)と任期が定められています。そのため任期ごとに登記をし直す手続きが発生し、コストも必要になります。

一方、特例有限会社の役員には任期が定められていないため、変更登記は不要となります。

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