「中継輸送」推進へ物流効率化法改正案を閣議決定 施設整備などで輸送力確保
政府は2026年3月6日、長距離トラック輸送を複数のドライバーで分担する「中継輸送」の推進を柱とした「物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定した。ドライバーの負担軽減と輸送力の持続的な確保の両立を狙う。
トラックドライバーの高齢化と人手不足が進行する中、物流の維持に必要な輸送力の確保は喫緊の課題となっている。2024年4月からはドライバーへの新たな労働時間規制が適用されており、一人のドライバーが長距離を一貫して運送する従来の働き方は見直しを迫られている。従来の運送形態では日帰り運行が困難で、宿泊を伴うためドライバーの負担が大きい。こうした課題に対し、一つの輸送行程を中継地点で複数のドライバーが交代して分担する「中継輸送」が有効な解決策として位置づけられた。
法案は大きく2つの施策で構成される。第1に、中継輸送の実施に関する関係者の連携・協働の促進だ。国土交通大臣が中継輸送の実施に関する基本方針を策定するとともに、国、地方公共団体、トラック事業者・荷主・倉庫業者などの事業者に対して、中継輸送の促進に必要な助言・協力等の責務(努力義務)を規定する。
第2が、計画認定制度の創設。貨物自動車中継輸送事業を実施しようとする者が共同で「貨物自動車中継輸送実施計画」を策定し、国土交通大臣の認定を受けることが可能となる。中継輸送事業は、高速道路近傍に立地し一時保管機能や入浴設備付き待機所などを備えた高機能な「特定貨物自動車中継輸送施設」において、2台以上のトラック間で運転者の交代や貨物の受渡しを行う事業と定義されている。認定を受けた事業には複数の支援メニューを用意する。特定貨物自動車中継輸送施設に対する固定資産税・都市計画税の課税特例、鉄道建設・運輸施設整備支援機構からの出資・貸付け、計画策定経費や初年度運行経費の予算支援、都市計画法に基づく開発許可の配慮、行政手続の一括化などだ。
国交省は、中継輸送施設が将来的には自動運転トラックによる運送を支えるインフラとしても機能を発揮するとの見通しを示している。京都府城陽市では、すでに中継輸送施設の整備イメージが具体化しつつある。法律の施行期日は公布の日から6カ月以内。施行後5年を目途に、改正後の規定の施行状況について検討を行い、必要な措置を講じることとされている。