新学期の「家庭環境調査票」をデジタル化 kintone専業のSI企業・株式会社ジョイゾーが学校現場向けパッケージ公開

kintone(キントーン)の開発・導入支援を専業とするSI企業である株式会社ジョイゾー(本社:東京都江東区、代表取締役:四宮靖隆)は2026年5月26日、自治体・教育委員会向けパッケージシステム「ジチタイ39」の新ラインアップとして、「家庭環境調査票等管理業務システム」を公開した。毎年の新学期に教職員・保護者双方へ重くのしかかる紙業務の解消に特化したパッケージで、kintoneをプラットフォームに配付・記入・提出・管理の一連をオンラインで完結させる設計となっている。

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学校現場に根強く残るアナログ業務の実態

文部科学省が令和8年3月に公表した「校務DXチェックリスト自己点検結果」によると、教職員に対する各種申請の紙提出慣行は94.3%、業務における押印の原則廃止が未達成の割合は91.0%にのぼる。デジタル化の機運が高まる一方で、学校現場では「確実に届いているか」という心理的懸念からデジタル配信と紙配付を同時に行うアナログ・デジタル二重管理が常態化しており、業務負荷をさらに押し上げている。

なかでも象徴的な業務が家庭環境調査票だ。家族構成・連絡先・通学路などを記載するこの調査票は、入学・進級のたびに全児童生徒分の一斉印刷・配付・手書き記入・回収・ファイリングが必要となる。システムを一から構築する時間的・技術的余裕がない教育委員会や学校担当者から寄せられた声を受け、ジョイゾーはこの課題に特化したパッケージを開発するに至った。

4つの改善効果

同システムが提供する主な改善効果は次の4点に整理できる。

第一に、保護者の提出手段の変化だ。保護者向けに専用のメニュー画面が用意され、スマートフォンやパソコンから直接入力・提出ができる。2年目以降は変更箇所のみを修正・送信する仕様のため、毎年の記入負担が大きく軽減される。

第二に、教員の事務作業量の削減だ。静岡県三島市教育委員会がkintoneを全公立小中学校21校へ導入した先行事例では、家庭環境調査票等のデジタル管理により年間1万枚以上のペーパーレス化を実現し、書類の印刷に要する時間を年間約84時間削減。さらに紙の調査票を校務システムへ手作業で転記する業務が不要になったことで、市内公立小中学校全体で年間約450時間の作業時間削減が達成されている。

第三に、緊急時対応の強化だ。情報はkintone上でデータベース化されるため、災害発生時や児童の体調急変時でも、特定の児童の連絡先や自宅の場所をキーワード検索で即座に把握・共有できる。バインダーをめくりながら探す手間がなくなり、学校全体の安全管理体制を底上げする効果が期待される。

第四に、将来の拡張性だ。kintoneのノーコード特性を活かし、保護者専用ポータルに保健調査票・各種問診票・タブレット使用同意書などを後から追加していくことで、学校DXのプラットフォームとして段階的に育てていくことが可能になる。

20年以上の行政実務経験を持つ元職員の現場視点とSIノウハウを組み合わせた設計

「ジチタイ39」は行政の実務を熟知した元市役所職員が仕様を監修し、人事異動時の引き継ぎや自治体特有の複雑な事務フローに耐える設計に徹底的にこだわっている。また、サイボウズ株式会社のパートナー評価制度「CyPN Report」でジョイゾーは5年連続で星を獲得しており、そのSIノウハウがパッケージに凝縮されている。kintoneは政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)登録製品であるため、自治体の厳格なセキュリティ基準にも対応しやすい点も導入の後押しとなっている。

費用と試用の仕組み

パッケージ料金は1業務あたり390,000円(税抜・買い切り型)で、初期導入設定費が別途390,000円(税抜)かかる。いずれもkintoneライセンス料および使用するプラグイン・連携サービスの月額費用は別途必要となる。

また、サイボウズ株式会社が提供する自治体DXプログラム「自治体まるごとDXボックス」の参加自治体は、2027年4月末まで無償で提供されるkintone環境を使い、予算化前の効果検証として無料テスト運用を行える。