プラ容器業界の転換点 シーピー化成が描く資源循環の未来

(※本記事は「食品新聞」に2026年3月16日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

三宅慎太郎社長
三宅慎太郎社長

プラスチック食品容器メーカー・シーピー化成(岡山県)では、食品流通・小売業界が直面するさまざまな課題の解決を目指す新プロジェクト「ミライシナリオ」をスタートさせる。既存の事業領域にとどまらない新たな挑戦で、持続可能な社会の構築に貢献する考えだ。三宅慎太郎社長に、同社の描く戦略を聞いた。

──「ミライシナリオ」プロジェクトの策定に至った業界や社会的な背景を教えてください。

三宅 業界を取り巻く環境は、環境配慮の高度化や消費行動・人口動態の変化などを背景に、大きな転換期を迎えている。こうした中で、従来の延長線上ではなく、未来を起点に発想し、流通・小売の皆さまとともに新たな価値を創造していく必要があると考え「ミライシナリオ」プロジェクトを立ち上げた。

このプロジェクトは、変化の激しい時代において将来の社会や市場の姿を見据え、そこから逆算して今取り組むべき方向性を明確化にするためのものだ。

当社のパーパス「未来を、笑顔で、つつむ」の具現化に向けて、お取引先様と未来像を共有し、共に歩んでいくための共通の思考基盤として策定した。

「ミライシナリオ」プロジェクトが始動
「ミライシナリオ」プロジェクトが始動

「ミライシナリオ」プロジェクトを策定するに至った背景は、大きく三つある。

1つ目は、業界環境そのものが大きな転換期にあることだ。

人口減少の進行、流通・小売業界の構造変化、人手不足の深刻化、環境規制や資源循環への要請の高まりなど、私たちを取り巻く環境は急速に変化している。

こうした中で、従来のように「自社の中で良い容器をつくる」という発想だけでは、流通・小売業界や社会全体に対して、継続的に価値を提供し続けることが難しくなりつつあると感じていた。

2つ目は、事業環境の変化がますます予測しづらくなっていることだ。 市場や制度、生活者の価値観は、もはや過去の延長線上だけでは捉えきれない。

だからこそ、単発の対応ではなく、継続的に未来を見立て、複数の可能性を想定しながら備えていくことが、これからの事業には不可欠だと考えた。

3つ目は、当社のパーパスである「未来を、笑顔で、つつむ」を、具体的な行動に落とし込む必要性だ。

どの時間軸で、誰と、どのような価値創出につなげていくのかを考えた時に、中長期の視点に立った共通のロードマップが必要だと考えた。

こうした背景から、2030年までを見据えた未来予測を起点に、流通・小売業界の企業様とともに新たな価値を共創していくための取り組みが必要であるという結論に至り、本プロジェクトを発足させた。

このプロジェクトは、未来を断定するものではない。

不確実な時代だからこそ、業界の皆さまと共通の視点を持ち、対話しながら、次の一手を考えていくための「思考の土台」をつくる取り組みだと位置づけている。

──具体的な取り組みの全体像について。

三宅 ひと言で言えば「未来を起点に、ハード(モノ作り)とソフト(情報・戦略)の両輪で、新たなチャンスの協創を目指したプロジェクト」。2030年頃を見据え、未来の社会・市場の姿を起点に当社の事業・製品・組織のあるべき方向性を体系的に描く長期プロジェクトだ。食品容器というハードの進化に加え、従来の売場提案や新市場の情報収集・提供といったソフトの側面なども含めて検討し、新たな価値の協創につなげていくことを目的としている。

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