テラドローンがエストニアに新会社設立、欧州防衛拠点に

テラドローン(東京都渋谷区)は2026年6月15日、欧州における防衛事業の拠点として、エストニア共和国の首都タリンに新会社「Terra Defense Europe」を設立したと発表した。新会社は防衛用途の無人航空機および関連システムの販売、保守、ロジスティクス管理、現地パートナー連携を担い、同社は欧州防衛事業の中核拠点と位置づける。ウクライナ企業との連携を通じて展開する迎撃ドローン「Terra A1」「Terra A2」「Terra C1」などについて、欧州域内での事業開発や供給、保守・運用支援体制の構築を進める。

背景には、欧州での安全保障環境の変化がある。EUでは共同調達などを目的とする「SAFE」で最大1500億ユーロの融資枠が設けられ、生産能力の拡大を狙う「EDIP」も進行しており、域内の産業基盤や現地パートナーとの連携が重要性を増している。

戦略的意義として同社は、欧州防衛基金(EDF)やEDIPなど欧州の防衛関連プログラムへの参画基盤の構築を挙げる。これらの枠組みでは域内企業を中心としたコンソーシアム形成や量産・供給能力の強化が重視されており、現地法人と欧州防衛プライムとの連携が鍵を握る。こうした中、同社グループはレーダーや防空・監視、電子戦、指揮統制(C4ISR)の各領域で高いプレゼンスを持つスペインの防衛プライムIndraとの提携可能性の検討を開始した。今後はUniflyの無人航空機運航管理システム(UTM)、ウクライナ企業と展開する迎撃・偵察ドローン、Indraの統合力を組み合わせ、共同調達に対応するC-UASソリューションの構築を目指す。あわせて、販売後の保守・運用支援を含む収益基盤の強化や、ウクライナ企業との事業連携の欧州展開も狙いとする。

今後、同社は新会社を通じて供給・保守・ロジスティクス体制を整備し、各地域の安全保障環境に適応した無人アセットの提供を推進し、人命や重要インフラの保護に貢献するとともに、中長期的な企業価値の向上を目指す。