AI映像とリアル空間を融合、KANA-L傘下スタジオとIMAGICA EEXが体験型IP開発で提携
総合エンターテインメント企業グループの株式会社KANA-L HOLDINGSは、同社が運営する生成AI特化のクリエイティブスタジオ「AI studio MiYAGi」が、株式会社IMAGICA EEXとパートナーシップ協定を締結したと発表した。空間体験領域における新たなエンターテインメントの創出と、体験型IP(知的財産)の開発に向けて連携する。
AI studio MiYAGiは、生成AIが切り拓く映像表現の新領域と、IP創出に特化したクリエイティブスタジオ。代表を務めるAIクリエイティブディレクターの宮城明弘氏は、国内外で高い評価を得るトップクリエイターだ。2024年にAOI Pro.主催のAI動画コンテストで優秀賞を受賞したほか、米国・フランス・ベルギー・オランダ・インドの映像プロダクションとマネジメント契約を結び、2025年にはフランスのAIプラットフォーム「Shaike.ai」で日本人初の認定作家「SHAIKER」に選出されている。一方のIMAGICA EEXは、「Experience Architecture Company」を掲げ、都市や施設、イベントにおける空間演出などエンタテインメントテック領域を手がける企業だ。
両社は今回の提携で、主に三つのテーマに取り組む。第一に、民話や妖怪、神話、歴史といった日本の伝統文化を生成AIで視覚化し、没入型の体験型IPとして国内外に展開する。宮城氏は、こうした題材が「人々を没入させる体験型IPとして息を吹き込まれていく」とし、映像を「観るもの」から「没入できる体験」へと変えていく考えを示している。第二に、漫画や舞台などの2次元・2.5次元IPを、リアルとデジタルが融合した空間体験へと発展させる。第三に、解像度や動作といったAI映像生成の技術的課題を両社の知見で解決し、次世代のスタンダード確立を目指す。
AI studio MiYAGiが高度なAI映像生成技術とIP開発力を担い、実写では実現が難しい映像表現の創出を受け持つ。IMAGICA EEXは、イマーシブ(没入型)空間の設計や体験演出のノウハウを提供し、物理空間における体験づくりを担当する。両社は、AIによる映像生成技術・IP開発力と、リアル空間での体験設計・演出のノウハウを組み合わせ、次世代の空間体験IPの社会実装を進める考えだ。
生成AI技術の進化は、映像・空間体験の分野に大きな変化をもたらしつつある。実写やCGだけでは表現が難しかった世界観を、AIによって可視化し、それをリアルな空間での体験へと落とし込む取り組みは、コンテンツ制作とIP活用の幅を広げる可能性がある。日本の妖怪や伝説といった文化資源を素材とした体験型IPの海外展開も視野に入っており、今後の展開が注目される。