古野電気 全球規模の高精度「グローバル海況予測データサービス」を開始
古野電気(兵庫県西宮市)は2026年4月7日、独自の海況予測システム「Phizmo(フィズモ)」を基盤とした「グローバル海況予測データサービス」の正式提供を開始したと発表した。あわせて特設サイトを公開し、企業・自治体・研究機関向けに高精度な海洋データの提供を始めた。
気候変動や海洋災害リスクの高まりを背景に、高精度な海況データの需要は増している。しかし、従来の数値モデルによる海況データは空間・時間解像度が粗く、沿岸域や局所的な現象の把握、実務レベルの意思決定には活用しにくいという課題があった。そこで同社は船舶向け航海用電子機器で培った海洋分野の知見と、衛星データ同化・数値予測技術を融合して独自の海況予測システム「Phizmo」を開発し、この課題解決に乗り出した。
同サービスの特長は大きく5つある。まず、北極・南極を除く全球をカバーし、港湾・沿岸・航路など利用目的に応じた空間解像度でデータを提供する点だ。解像度は一般的な海況データの「水平約10km/24時間間隔」に対し、「水平約3km/1時間間隔」と大幅に向上。さらに20層の鉛直データにより、水温・塩分・流速の深度方向の変化も立体的に把握できる。加えて、複数のデータ同化手法を自動最適化する独自アルゴリズムにより、実海況を高精度に再現する仕組みを構築した。水温・塩分・流速・海面高度などを一括提供するデータセット形式を採用し、利用者の分析負担軽減にも配慮している。
想定される活用領域は多岐にわたる。研究・教育分野でのシミュレーション精度向上をはじめ、自治体による沿岸の安全管理、物流・海運における航行計画の最適化、港湾工事の計画立案、マリンレジャーの安全確保、保険分野でのリスク評価など幅広い。同社は今後も海洋DXを支えるデータ基盤の強化を進め、海況予測とソリューション開発を掛け合わせた価値創出に取り組む方針だ。