電通 街区・施設に開発初期から「運用構想」を組み込むサービス開始
電通は2026年10月5日、電通ライブ、電通コンサルティングのグループ2社と共同で、都市開発における施設・街区の価値向上と収益化を支援するソリューション「OPERATE 7(オペレートセブン)」の提供を始めた。施設が完成した後の運営を見据えた「運用構想」を開発の初期段階から計画に組み込み、長く使われ続ける施設・街区づくりを後押しする。
全国で大規模再開発や都市更新が進むなか、施設・街区には空間を整備するだけでなく、その場所ならではの体験を生み、にぎわいを継続させる役割が期待されている。開発のあり方も、建設と建て替えを繰り返す「フロー型」から、施設を長期的に活かす「ストック型」へと移りつつあり、デジタルサイネージやイベントスペースによる収益確保への関心も高まっている。
一方で、完成後の運用や収益化を十分に検討しないまま設計・施工が進むケースも多い。その結果、動線・設備不足でイベントが開催できない、仕様が合わず広告媒体として販売できない、運営ルールや体制が未整備で継続的に使えない、といった課題が完成後に判明することがあるという。
これまでの街区・都市開発は「全体構想→設計→開発・施工→運営」の順に検討するのが一般的だった。OPERATE 7はここに「運用構想」を加え、来訪者体験、法規制、設備・空間・諸室の要件、動線計画、運営体制、収支計画などを開発初期から検討する。名称は、運用構想、法規・制度、体験、収益装置、空間・設備、運営システム、収支という7つの検討領域に由来する。これらを横断的に整理し、イベントの会場としての運用時に必要となる要件を設計や施工に反映させる。
役割分担は、電通が運用構想の策定、電通ライブがイベント運営と空間活用、電通コンサルティングが事業性評価と収支設計を担う。広告媒体として扱いやすい仕様や、人が移動しやすい動線、継続的な活用を支える運営体制などを完成前に詰めることで、運用面の課題を前倒しで解消する狙いだ。
電通は今後、OPERATE 7の開発背景や、開発に運営の視点を取り入れる意義、価値向上と収益化を両立させる空間づくりの考え方をまとめたホワイトペーパーを公開する予定。事業主体や設計事務所、建設・施工会社、行政機関などと連携し、運用視点を取り入れた開発プロセスの普及を進め、利用者に選ばれ続ける空間づくりと地域活性化への貢献を目指すとしている。