米の在庫量は「過去最低」も、新米流通で価格の落ち着き見込む 農水省の意見交換会
(※本記事は「JAcom 農業協同組合新聞」に2024年9月4日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
農林水産省は9月4日、今年3回目となる米産業活性化のための意見交換会を開いた。店頭での精米価格は5kgで3000円を超える水準となっているが、流通業界からは24年産米の流通が本格化すれば米価は落ち着いていくのではないかとの見方が示された。また、米の安定供給に向けては事前契約に基づいた販売が求められており、生産者には出荷契約に基づいてJAへの着実な出荷が重要になることも指摘された。
意見交換会で卸間のスポット取引市場を開設しているクリスタルライスの山村淳社長は23年産米は銘柄によっては1等比率が低かったため、年明けから取引量が少なく5月以降は高騰し、現状は24年産米の価格にもそれが引き継がれているが「これは端境期のため。今後24年産米が出回れば年間の需給を反映した価格になっていくのではないか」と話した。
卸業界の委員からは23年産米の在庫量は「全体で前年比50%、家庭用は20%」、「過去最低水準」。「業務用を除けばカツカツ」などと現状が紹介された。そのため早場米を供給しようと産地で手当をしているが、想定以上の「60kg2万6000~7000円」を提示され、取引を断る場合もあるが「出てきた米を買う」状況でそれに精米経費などを上乗せし5kg3000円台となっていると説明した。
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