三菱地所 スマートホーム事業を分社化し「HOMETACT」を設立

三菱地所は、住宅事業グループの新規事業として推進してきた総合スマートホームサービス「HOMETACT(ホームタクト)」を会社分割により独立させ、2026年4月1日付で株式会社HOMETACTとして事業を開始した。共同代表にCEO松本太一氏、COO橘嘉宏氏が就任し、専門人材の確保や意思決定の迅速化、外部アライアンスの積極構築を通じて事業拡大を図る。

新会社は「日本の不動産に、選ばれ続ける力を。」をコーポレートメッセージに掲げ、「住みごこちDXカンパニー」としての事業展開を進める。2034年に3兆円市場へ成長が見込まれるスマートホーム領域において、オープンプラットフォーム戦略を加速する。

日本のスマートホーム市場は、米国や中国と比較して普及が大きく遅れてきた。その背景には、メーカーや機器ごとにアプリや仕様が異なり、統合的な利用環境を作ることの困難さがある。三菱地所は総合デベロッパーとしてのネットワークを活かし、メーカーやサービス提供者と横断的に連携するオープンプラットフォームを開発。2021年11月に「HOMETACT」の提供を開始していた。

「HOMETACT」は現在、連携メーカー30社、接続可能機器数200種類以上を擁し、導入企業数は全国44都道府県の200社に拡大している。新築・既築を問わず、賃貸マンション・アパートから分譲マンション、注文住宅、リノベーション物件まで、多様なアセットタイプに対応する点が強みだ。

同システムには導入物件の価値を高める効果があり、既築の賃貸物件でも最大30%超の賃料上昇を実現した事例がある。また空室期間の短縮効果も確認されている。入居者の顧客満足度は94%、継続利用意向は約88%に達しており、物件選びの重要な判断基準として機能し始めている。

技術面では、エネルギー管理機能「HOMETACT Energy Window」による電力使用量の直感的な可視化や省エネの自動制御、自動ドアセンサー大手オプテックスとの連携による共用部ハンズフリー通行機能「HOMETACT Smart Gate」など、専有部にとどまらない居住体験の拡張を推進してきた。

今後は、ホテルなどの宿泊施設、介護施設、病院・クリニックといった非住宅アセットへの展開も計画する。パートナー企業との共創によるサービス創出やデータ活用を通じて、不動産事業者の運営効率化と入居者の利便性向上の両立を目指す。