NTTデータG AI中核の成長戦略をグローバル展開、フルスタックサービスを強化
NTTデータグループは2026年5月8日、AI時代における「Quality Growth(質を伴った成長)」の実現に向け、「AI-empowered New Value & Productivity」と「Next-Gen Infrastructure」の2領域を軸とした成長戦略を策定したと発表した。コンサルティングからインフラまでを一体で提供するフルスタックサービスを強化し、企業の事業変革と新たな価値創出を支援する。同戦略の推進により「稼ぐ力」を強化し、2025年度に約8000億円だったEBITDAを、2030年度までに1.2兆円へ拡大することを目指す。
AIの活用が業務効率化の段階を超え、業界固有の業務プロセスや経営アジェンダそのものに踏み込むフェーズへと移行する中で、NTTデータグループは顧客提供価値を最大化するための注力領域(Focus Areas)として2つを位置づけた。AIによる新たな価値創出と生産性向上を推進する「AI-empowered New Value & Productivity」と、それを支える「Next-Gen Infrastructure」を組み合わせ、顧客の事業変革を具体的な成果へと結び付ける狙いだ。
AI戦略の中核を担うのが、2025年12月に設立した「NTT DATA AIVista」だ。同社では、AIエージェントを業務プロセスに組み込むうえで必要となる業務ルール、各社ポリシーに基づく判断、業務フローの実行など、業界知識を前提とした共通機能を備えるコアAIプラットフォームを構築している。2026年夏ごろから特定プロジェクトを対象に提供を開始する計画で、業界特化型AIとコアAIプラットフォームを組み合わせ、顧客業務そのものを変革する「AIネイティブビジネス」の創出を加速する。インフラ面では、顧客のデータ主権や規制対応、性能・セキュリティ要件に応じたデータセンター、クラウド、サイバーセキュリティなどAI活用に備えた基盤を提供する。
組織体制も大きく見直す。国内事業会社のNTTデータ(月刊事業構想2025年11月号参照)では、新たにコンサルティングセグメントを設け、AI時代における非連続なビジネスモデルの創出や業界横断の価値創出を加速する。テクノロジーセグメントには新設のAI事業本部を置き、提言から実装、成果創出までを一体で担う「変革パートナー」への進化を図る。
海外事業会社のNTT DATA, Inc.は、海外市場向けに「グローバルAIユニット」をすでに設立。AIの専門性と業界知見を融合し、新規ビジネス創出、顧客体験の高度化、業務変革を推進するほか、自律型オペレーションの実現やリスク管理・コンプライアンス対応、安全で統制されたAI基盤の構築、人材の能力向上にも取り組む。NTT DATA AIVistaとの連携や主要ハイパースケーラーとの協業も進めており、グローバルでの競争力を高めている。
同グループで必要になるテクノロジーについては、AI利用を前提としたソフトウェア開発や特定用途向けモデルなどの先進技術開発をNTTデータグループの技術革新統括本部が担い、グローバルでの技術リーダーシップ発揮と技術戦略機能の高度化・最適化を進める方針だ。