モノエン、日本のモノづくり特化ライブコマース「BEGINNING LEGACY」を5月12日始動
株式会社モノエンは、日本のモノづくり企業・職人・作家に特化したライブコマース事業「BEGINNING LEGACY(ビギニングレガシー)」を、2026年5月12日より開始する。メーカー社長や職人がライブ配信に出演し、製品開発の背景や技術、つくり手の想いをリアルタイムで伝える形式で、写真とテキスト中心の従来のECでは伝えづらい定性的な価値の可視化を目指す。
モノエンは2026年3月創業のスタートアップで、「エンタメ×ゴエンの力で、モノづくりを底上げる」をミッションに掲げる。中村貴広代表が前職で製造業の現場に関わる中で抱いた問題意識が、創業の出発点となった。長年積み上げられた技術や、人生をかけて磨かれてきた職人技という日本のクラフトマンシップが、「価格」「効率」「分かりやすさ」といった表面的な指標の中に埋もれ、正当に評価されないまま終わってしまう現状への危機感である。
優れた技術を持ちながら販路や発信手段を持てず、現場を去っていく職人や、世界への挑戦を志しながら埋もれてしまう企業の存在を目の当たりにし、日本の製造業を「文化産業」として位置づけ直し、職人が憧れの職業として認識される社会の実現を目指して同社を立ち上げた。
BEGINNING LEGACYで扱う商品は、「ストーリー性(存在理由が語れる)」「体験性(ライブで再現できる)」「市場性(価格・供給が成立する)」の3つの基準で選定する。定期配信は毎週火曜・木曜の午前6〜9時と、毎週日曜の正午〜午後3時を予定する。各回はメーカー社長や新規事業担当者が約1時間出演し、会社概要や開発秘話を直接語る構成だ。配信前にはSNSで商品の背景にある思想や開発過程を発信し、視聴者の事前理解を促す導線も設ける。
5月12日の初回配信では、創業90年超のゴムメーカー・錦城護謨株式会社が手掛ける高透明シリコーンゴム製グラス「KINJO JAPAN」、大阪府八尾市で創業75年の藤田金属株式会社による鉄フライパンブランド「ふらいぱんヴィレッジ」、創業100年のシルバー株式会社が開発した次世代オイルトーチ「TORCH+」の3社のプロダクトを取り上げる。今後はリアル販売拠点の開設(2026年夏予定)、購入後のコミュニティ展開(同年秋予定)、海外への展開も視野に入れている。
ライブコマースが注目を集めているのは、従来ECとは異なる購買体験を実現する点にある。「検索→比較→購入」という分断されたプロセスに対し、ライブ配信では視聴者がリアルタイムで質問でき、サイズ感や使用感、素材の選定理由といった疑問をその場で解消できる。製造工程や技術を可視化し、つくり手の声を直接届けることで、「理解→納得→購入」が同時に進む販売手法として位置づけられる。
市場規模は中国を中心に世界で拡大が続く一方、日本では普及の初期段階にあり、成長余地が大きい領域とみられている。発信手段や販路の確保に課題を抱えてきた日本の中小製造業・町工場にとって、技術や背景といった「伝えにくい価値」を扱える新たな経路となりうる取り組みとして、初回配信以降の展開が注目される。