ElevationSpace シリーズBで64億円調達、宇宙輸送サービス本格展開へ
小型衛星の再突入技術を軸に、宇宙から地球への輸送サービスを開発するElevationSpace(宮城県仙台市、月刊事業構想2022年2月号参照)は、シリーズBラウンドにおいて第三者割当増資により総額64億円の資金調達を完了したと発表した。同社にとって過去最大の調達となり、創業以来の累計調達額は101億円に達した。調達した資金は、宇宙から地球への輸送サービスおよび宇宙環境利用サービスの開発・運用と、グローバル展開などに充当する。2026年6月19日に発表した。
ElevationSpaceは2021年2月設立。「軌道上のヒト・モノをつなぐ交通網を構築する」をビジョンに掲げ、JAXAや東北大学と連携し、宇宙の微小重力環境で研究開発・製造された物資を地球に運ぶ小型宇宙機の開発に取り組んでいる。国際宇宙ステーション(ISS)の運用が2030年末に終了することが決定しており、「ポストISS時代」を見据えたサービス展開を目指す。
中核事業は、フリーフライヤー型の軌道上実証・回収衛星「ELS-R」と、宇宙ステーションからの高頻度回収カプセル「ELS-RS」の開発。ELS-Rは、無重力環境を生かした実験や実証を無人の小型衛星で行い、地球に帰還させて顧客のもとに返す国内初のサービスとなる。実用化の第一歩となる、民間初の再突入衛星初号機「あおば」は、詳細設計技術審査(CDR)を完了し、フライトモデルの組み立てを進めている段階だ。
2025年9月のプレシリーズB資金調達以降は、グローバルなパートナーシップ構築も加速している。米Axiom Spaceとは高頻度の大気圏再突入・回収サービスに関する協業、米Redwireとは同社のバイオ医薬品技術をElevationSpaceのプラットフォームに統合する計画について協業を進めている。
国内では宇宙戦略基金事業の「高頻度物資回収システム技術」への採択、「有人宇宙輸送システムにおける安全確保の基盤技術」への連携機関としての参画も決まっている。組織規模も80名超に拡大した。
シリーズBの引受先として、Beyond Next Ventures、スパークス・アセット・マネジメント、環境エネルギー投資が運営する各ファンドがコリード投資家として参加。シンプレクス・キャピタル・インベストメント、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、ニッセイ・キャピタル、グローバル・ブレイン、三菱UFJキャピタルなどが運営するファンドや個人投資家のほか、大日本印刷(DNP)、豊田合成といった事業会社も新たに名を連ねた。