文科省 地域科技イノベーション・エコシステム構築へ方針を発表

文部科学省は、2020年8月27日、地域科学技術イノベーション・エコシステムの構築に向けた方策の中間まとめを発表した。これは、同省の地域科学技術イノベーション推進委員会が、地域社会課題の解決・地域産業の発展を目指した「地域科学技術イノベーション・エコシステム」の構築について議論したものだ。

今回の中間まとめでは、「ウィズ・コロナ」、「ポスト・コロナ」の情勢下において、科学技術イノベーションが地域において果たすべき役割として(1)新しい社会的課題への対応と、SDGsを原動力とする地方創生の実現、(2)地域の産業構造の知識集約型への転換、グローバル視点での産業振興、を挙げた。その際、産業振興を含む各分野の様々な政策、地方創生の取組との有機的な連携・結合が必要であることも指摘している。

イノベーション・エコシステム形成の具体策としては、地域の大学・産業界・自治体などが協働する場となる「地域共創の場」の構築と、そこでの議論を踏まえた「地域ビジョン」策定・共有を挙げた。地域ビジョンは目指すべき地域の未来像を提示したもので、これをもとに、目的をもって産学共同研究を進めていく。地域共創の場は、地域連携プラットフォーム(関連記事)を活用して地方自治体が運営する。さらに、地域共創を継続させるためには、産学官連携体制維持のための民間資金獲得、そして地方大学への自治体からのリソース提供が必要と指摘した。

文科省ではこれまで、拠点を形成して地方大学と地域産業との産学連携を進める施策を進めてきた。2019年にはその成果継続を図る観点から「共創の場形成支援」に施策をまとめ、2020年度には新規公募・採択を一本化している。

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