日本郵船と千葉工大 マイクロプラスチック分布の外洋調査を開始

日本郵船と千葉工業大学は、マイクロプラスチック分布の大規模な外洋調査を開始する。2020年3月6日に発表した。両者は船舶を用いて、世界中の海で海水に含まれるマイクロプラスチックを採取し、分析調査する覚書を締結した。民間企業と研究機関がこの分野で調査を行うのは世界初の取り組み。

調査の概要はまず、日本郵船の持つ約750隻の運航船ネットワークを活用して、航海中に海水を採取。マイクロプラスチックに関する最先端の研究を行なっている千葉工大がサンプル分析を行い、マイクロプラスチックのサイズ・分布濃度・経年等が分かるプラごみマップを作成する、というものだ。

マイクロプラスチックは、海中を漂うプラスチックごみが紫外線や波の影響を受けて直径5ミリ以下の小さな粒子になったもの。海面や海底等に留まり続け、それを摂取した生物の体内に取り込まれ、食物連鎖を通じて海洋生態系全体に広がり、やがて人体にも大きな影響を及ぼすことが懸念されている。国際的な問題となっており、日本でも環境省などが対策を講じている(月刊事業構想2020年3月号参照)。

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