2020年3月号
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ビジネスで環境を守る

環境省の廃プラ対策 海を守る技術開発・実装を支援

金子 浩明(環境省 リサイクル推進室 室長補佐)

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環境省が2019年8月に公表した2020年度重点施策は、海洋プラスチックごみへの対応を1番に挙げた。廃プラ問題が世界的に注目される中、環境省では技術開発や実証実験への支援を強化している。廃プラの処理を国内で完結し、優れた技術は海外へ紹介して、世界の海を守っていく。

廃プラスチック問題が世界的に注目を集めるようになった大きなきっかけは、2016年のスイス・ダボス会議で発表された、英エレン・マッカーサー財団の報告書だ。現状が続けば、2050年までに、海洋中に存在するプラスチックの量が魚の量を上回るとの試算が示された。

2017年末には中国が廃プラスチック類の輸入規制を開始。続いて東南アジア各国でも同様の規制が始まり、世界各国でプラごみの国内処理体制の構築が喫緊の課題となっている。

こうした廃プラスチックをめぐる状況を踏まえ、日本では2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」を策定した。この戦略では、これまでも力を入れてきた3R(リデュース・リユース・リサイクル)に加え、リニューアブル(Renewable)を基本原則としている。使う必要のないプラスチックの使用を徹底的に減らした上で、容器包装・製品の素材を再生材や再生可能資源に切り替えていき、できるだけ長く使用しつつ、使用後は効果的・効率的なリサイクルシステムを通じて循環利用を図る。

「目標として掲げたリデュース25%を実現した上で、再生材や代替素材を活用しつつ、使用したものはリサイクルしていくというのが基本方針です」(環境省 リサイクル推進室 室長補佐の金子浩明氏)。この「プラスチック資源循環戦略」に基づく取組みとして、2020年度にはプラスチック製レジ袋が有料化される。

プラ循環システム実証を支援

2019年8月に発表した「令和2年度環境省重点施策」では施策の方針として、第5次環境基本計画に掲げる「地域循環共生圏」の創造に向けて、環境の課題解決だけでなく、経済・社会的課題も同時解決して持続可能な社会を実現することを改めて強調している。この実現に向けた具体的な施策として、重点施策の最初に登場するのが「海洋プラスチックごみ問題への対応」だ。大阪ブルー・オーシャン・ビジョンや循環戦略を踏まえ、プラスチックごみの回収・適正処理の徹底や3R、代替素材のイノベーション、途上国の能力構築支援などにより、新たな汚染を生み出さない世界の実現を目指していく。

具体的に、リニューアブルの観点では、代替素材の開発などに注力している。プラスチック代替素材への転換、社会実装を支援する「脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」の2019年度の予算要求額は50億円。この事業では、2つの実証事業を柱に据えた。

1つは「化学由来プラスチックを代替する省CO2型バイオプラスチック等(再生可能資源)への転換・社会実装化実証事業」だ。バイオマス・生分解性プラスチックや紙、CNF(セルロースナノファイバー)等の、プラスチック代替素材の省CO2型生産インフラ整備・技術実証を支援する。製品プラスチック・容器包装をはじめ、海洋流出が懸念されるマイクロビーズなどの再生可能資源への転換・社会実装化を推進していく(図1)。

図1 「脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」のターゲット

出典:環境省

 

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