XTC日本予選 3Dプリンタで安価な義肢を作る企業などが世界へ

社会問題を解決することを目指すスタートアップを対象としたピッチイベント、Extreme Tech Challenge (XTC)の日本予選が2020年2月26日に開催され、スタートアップ9社がプレゼンテーションした。アクセルスペース(東京都中央区、月刊事業構想2017年6月号参照)と、インスタリム(東京都世田谷区)の2社が日本予選を通過した。

XTCは、社会起業家のためのスタートアップ・コンテスト。技術とイノベーションで国連SDGsの17重要課題の解決を目指すスタートアップを発掘・支援する。今回、日本予選を通過した2社は、パリで開催されるViva Techology2020でのステージピッチの機会を与えられる。

アクセルスペースは、超小型衛星を活用し、地球表面の様々な場所の写真を撮影することで、ソリューションを提案する企業。パリでのプレゼンテーションについて、同社アカウント・マネジメントヘッドのKateryna Aheieva氏は、「更なる成長のため、世界中のパートナーを集めたい。今回の本戦出場を通じて、単に自社のことを知ってもらうだけでなく、日本にもこういった技術を持つ宇宙産業があるんだと伝えたい」と意気込みを語った。

インスタリムは、3Dプリント義肢装具製作ソリューション事業を手掛ける企業で、3Dプリンタで安価に義足を製作する事業をフィリピンで実施している。日本予選でプレゼンテーションした同社代表取締役CEOの徳島泰氏は、「3Dプリンタのオリジナルは日本で生まれたものなので、3Dプリンタの技術を事業を通して伝えるとともに、日本の技術が世界で戦えることを示したい」と語った。

XTCの日本予選は今回が初めて。これまでは日本企業は公式応募フォームからの直接申込しか方法がなく、全世界1000社以上の応募からピッチの機会を与えられるのは30社ほどだった。

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