神奈川県の医療機器開発ネット 実証実験へクラウドファンディング開始
ゼオシステム(横浜市)、神奈川県医療機器コーディネーターネットワーク(MedeK)は共同で、モバイル尿流量計を用いた排尿障害の遠隔診療のための実証実験費用を集めるクラウドファンディングを開始すると2018年6月11日に発表した。クラウドファンディングのページはFAAVOに開設する。目標額は65万円だ。
加齢に伴い排尿困難を訴える患者は多いが、病院を受診する人は少ない。また、病院で実施する排尿検査で緊張や恥ずかしさを訴える患者は多く、うまく検査ができないケースもある。
今回の実証実験に用いる、ゼオシステムが開発中のモバイル尿流量計「Freeflow」は、家で排尿検査ができるデバイスだ。Freeflowを用いることで、自宅で複数回、尿流量の測定が可能になる。取得した尿流量のデータは、専用ソフトへ転送し、そのデータを医師の診察に活用する。取得できるデータも、検査機器としての十分な精度が出ることを確認している。デバイスの開発には、泌尿器科医として長年の経験を持つ日本赤十字社医療センターの本間之夫院長(元東京大学大学院医学系研究科泌尿器外科学教授)の協力を得た。
実証実験は、横浜国立大学が神奈川県からの受託事業として開設した「かながわ医療機器レギュラトリーサイエンスセンター(MDRS)」と、神奈川県の医工連携を振興する役割を持つ神奈川県医療機器開発コーディネーターの連携組織MedeKが企画したもの。本格的な臨床試験の前に、排尿障害の治療に取り組む臨床家を集めた有用性・実用性を検証する。
なお、FAAVO とMDRSは、かねてから医療分野における提携を検討しており、今回のクラウドファンディングに協働の第1弾として取り組むことになった。