総務省 自治体が持つ個人のデータを活用するには

 

総務省は、2018年4月20日、「地方公共団体が保有するパーソナルデータの効果的な活用のための仕組みの在り方に関する検討会報告書」を公表した。検討会は2017年7月から開催され、自治体の非識別加工情報の仕組みの導入をいかに促進すべきか、という観点から議論してきた。

 

検討の対象となっているのは、各個人が生み出す様々なデータを、新産業創出や新規事業の立ち上げの際に有効に使えるよう、行政機関の保有する個人情報を加工して「非識別加工情報」とし、それを企業が用いられるようにする制度だ。

 

検討の結果、まずは、個人情報保護条例の見直しなどを進める必要があるとされた。併せて、民間事業者が簡便に自治体のデータにアクセスできる環境を整備すること、これに伴う地方公共団体の負担軽減を図るため、①共同受託、②作成組織について検討を進める必要があるとした。①の共同受託とは、いくつかの自治体がまとまって、データの加工に関する業務を委託すること。②の作成組織は、非識別加工情報を作成する、自治体とは別の組織で、データを使いたい民間事業者の窓口となることや、国が一定の基準に基づき認定すること、などが想定されている。

 

ただし、検討の際に、現時点においては非識別加工情報の活用事例が少なく、自治体がこのようなデータをどう活用していくのかについて、理解が進んでいない点が指摘された。そこで、自治体の非識別加工情報の活用事例を把握するとともに、個人情報保護条例の見直しなどへの支援を今後、行っていく必要があるという結論となった。

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