経産省 高齢者ケアの報告書を発表、「介護サポーター」導入を提案

 

経済産業省は、2018年4月9日、「将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会」報告書を発表した。2016年3月に取りまとめた報告書では、「介護機器・IT等を活用した介護サービスの質・生産性の向上」等を進めていくことが必要と提言していたが、今後の介護需要の増大はそれだけでは対応しきれない。需要を減らす対策や、介護現場の人材確保に向けた対策を今回の報告書では提案している。

 

今回の報告書作成のため、特に検討されたテーマは(1)社会参加を中心とした介護予防の推進、(2)介護サービスに対する、高齢者を中心とした就労促進による人材の確保、の2点だ。

 

高齢者の社会参加を増やすことで、心身の健康を保つ効果が期待できる。しかし、そもそも参加したい活動が存在しなかったり、地域にどのような活動があるのか分からないというミスマッチがある。また、高齢者の希望や健康状態に応じた対応や、長期的に継続できる形で提供する必要がある点も指摘された。そこで、民間事業者の企画やマーケティング力を活用した魅力的なコンテンツ開発を促進すること、情報提供の場を設けること、高齢者になる前の若年層からのボランティア活動などへの参加を推奨することを提案している。

 

また、介護サービスへの高齢者の就労促進策としては、介護の業務プロセスを分解し、専門人材が担当しなければならない業務と、高齢者の介護サポーターに任せられる業務を線引きすること、シフト調整にITを活用して効率化すること、潜在的な労働力への効果的なアプローチ法を検討すること、などを提案した。

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