ため池保全管理にドローン活用は有効

 

秋田県羽後町の羽後町ドローン活用ため池保全管理協議会は、2017年度の実績報告会を開催し、秋田県が2018年3月2日にその概要を発表した。羽後町土地改良区は、2017年度から、秋田県立大学の助言の下、農業用ため池の日常点検や安全管理にドローンを活用している。

 

今回の報告会では、アドバイザーを務める秋田県立大学の永吉准教授が、これまでの取組結果と今後の方向を発表した。2017年度に実施したドローンを用いた調査では、ため池本体や取水施設、緊急時の放流設備などの施設点検で、ドローンでも目視並に傷んでいる個所などを把握できることが分かった。同地区のため池は沢の奥に位置していることが多く、冬季は積雪により状況を全く把握できない。今回の調査で、このような場所にあるため池の点検でドローンが活躍することが明らかになった。また目視点検の場合、人間が1km歩いて池を周回する必要があるが、ドローンでは12分で周回・記録できた。

 

今後は、ため池管理者である土地改良区と、アドバイザー役の秋田県立大学、秋田県がクラウドサービスを利用して情報共有を進め、土地改良区職員を主体として点検業務を実施することが提案された。土地改良区、大学、行政の連携を強化し、町内の防災・減災にも生かしていく。ドローンを活用した取り組みは2018年以降も継続していく予定だ。

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