宮城県大崎地域 世界農業遺産に認定

 

国連食糧農業機関(FAO)は、宮城県大崎地域を世界農業遺産に認定した。

 

農林水産省は2017年3月、宮城県大崎地域、静岡県わさび栽培地域、徳島県にし阿波地域の3地域を、世界農業遺産への認定申請のため承認していた。静岡、徳島についてはFAOが現在、審査を行っている。

 

宮城県の大崎地域では、やませによる冷害や地形的要因による洪水、渇水に対処するため、取水堰や隧道・潜穴、水路、ため池などの水利施設が築かれ、地縁組織である「契約講」を基盤とする水利組織によって水管理を実施してきた。水田や水路、水田の中に浮かぶ森のような屋敷林「居久根(いぐね)」により、多様な動植物が存在する湿地生態系が生まれ、独特の景観を形成している。

 

世界農業遺産は、世界的に重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域をFAOが認定する制度。世界で19カ国45地域が認定済みで、日本では大崎地域で9地域目となる。食料・生計の源となっていること、生物多様性を保持していることに加え、地域の伝統的な知識システムを維持していることや、文化・価値観が地域に根付いていることなども認定の基準として評価される。

宮城県の大崎地域(写真提供:宮城県観光課)

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