培養肉ベンチャーが科学技術振興機構と委託研究契約

インテグリカルチャー(東京都文京区)は、科学技術振興機構(JST)と委託研究契約を締結したことを2017年11月28日に発表した。細胞農業技術の確立に向け、「純肉(培養肉)の開発」を推進する。共同研究を通じて、肉の培養に必要な培養液から動物由来成分をなくすこと、低価格化、および大量生産可能な還流培養技術の開発を進める。目標は純肉の早期商業化だ。

JSTが実施している研究者向けの研修プログラム、「プログラム・マネージャーの育成・活躍推進プログラム」の一環として実施する。同研修の第2ステージ研修生を実施代表者とする研究課題「次世代タンパク食:研究開発と社会的認知に向けた活動」(実施代表者:相川順一[理化学研究所])における研究テーマとなる。

インテグリカルチャーは、培養肉の実用化に向け、原材料コストの大半を占める培養液の低価格化と、細胞培養の大規模化技術を開発している。これまでの細胞培養方法で食用の培養肉を生産するには、100g当たり数百万円のコストがかかる。そこで同社は、高価な動物由来成分なしでも細胞の培養が可能な低価格培養液を試作した。また、この培養液を使った、大規模化が可能な培養システムを試作し、純肉の製造コストを3000円以下に下げることにも成功した。

今回の委託研究契約では、相川順一氏(理化学研究所)を実施代表者として、2018年3月31日までに、細胞間相互作用を用いての肝臓細胞増殖の誘起および、肝臓細胞としての機能維持を確認する。肝臓細胞を増殖させる装置を自動化し、連続的な細胞培養における条件を最適化する。

cleanmeat1711.jpg