【6月19日 林芳正総務大臣会見】【林芳正総務大臣会見】地域支える郵便局へ 改正郵政民営化法が成立、夕張財政再生にも20年の区切り
林芳正(はやし よしまさ)総務大臣は2026年6月19日、閣議後の記者会見を開いた。
総務省統計局が発表した2026年5月の消費者物価指数によると、総合指数は1年前と比べて1.5%上昇し、生鮮食品を除く総合では1.4%の上昇となった。
夕張市訪問 20年の節目に現地へ
地方視察については、翌20日に北海道夕張市、21日に石狩市・長沼町・千歳市をそれぞれ訪問する予定であることを大臣が冒頭で明らかにした。ちょうど20年前の2006年6月20日、後藤健二・夕張市長(当時)が市議会において財政再建団体となる意向を表明し、同市の長い財政再生の歩みが始まった。夕張市は全国で唯一の財政再生団体であり、2006年度に353億円の赤字を抱えた同市は、国の関与のもとで財政再生計画に基づく行政運営を続けてきた。赤字を振り替えるために発行した再生振替特例債の償還が今年度末に完了する見通しであることから、20年間にわたる取り組みに一定の区切りがつくと大臣は述べた。現地では厚谷司(あつや つかさ)夕張市長と鈴木直道(すずき なおみち)北海道知事を訪ね、財政再生の現状と今後のまちづくりの展望について率直に意見交換する予定だ。
道内3か所を視察 データセンター・地域おこし・半導体拠点
翌21日の視察先は3か所ある。石狩市ではさくらインターネット株式会社の石狩データセンターを訪れ、データセンターの地方分散によるデジタルインフラ強靭化や、再生可能エネルギーの地産地活によるデータセンター集積の取り組みを確認する。続く長沼町では、テレワーク・コワーキングスペース「ながぬまホワイトベース」において、町が進める創業支援の取り組みを聞くとともに、空知地域で活動する地域おこし協力隊との意見交換を行う。最後に千歳市でRapidus(ラピダス)株式会社の先端半導体開発・製造拠点を訪問し、道内各地で展開される地域の未来に向けた取り組みの実態を把握したうえで、今後の施策に活かす考えを示した。
一票の較差訴訟 16件すべて合憲、最高裁へ
2026年2月の衆議院総選挙をめぐる一票の較差訴訟については、全国の高等裁判所・高裁支部に提起された16件の判決が出揃い、いずれも選挙管理委員会側の主張が認められ、小選挙区の区割り規定は合憲との判断が示された。大臣はこの結果を受け止めつつ、すでに高裁判決に対する上告がなされており、今後は最高裁での審理が見込まれることから、推移を注視すると述べた。
改正郵政民営化法が成立 地域住民を支える郵便局ネットワークの維持へ
会見のあった2026年6月19日、郵政民営化法等の一部を改正する法律が参議院本会議で可決・成立した。大臣は会見時点で「本日の参議院本会議に上程される見込み」と述べており、同日中に成立した形だ。6月12日にはすでに改正郵便法が成立しており、郵政関連の法整備が相次いで完了した。
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改正郵便法は、日本郵便の経営判断の余地を広げ、利用者が使いやすい料金設定や経営環境の変化に応じた柔軟な料金改定を可能にするものだ。郵便離れへの対応と、それに伴う郵便事業収入の減少幅の抑制を通じて、郵便事業の安定的な提供を確保することをねらいとしている。郵政民営化法等の改正法は6月16日に衆議院本会議で可決されており、大臣は「地域が直面する課題の解決に向けて時宜を得た法律だ」との認識を示した。政府は成立を受け、郵政三事業のユニバーサルサービスの確保と、郵便局ネットワークを活用した地域住民の生活支援に取り組む方針だ。
民営化の方向性が後退するのではないかとの問いに対して大臣は、日本郵政がゆうちょ銀行・かんぽ生命の全株式処分を目指す現行方針は今回の改正でも変わらないと明言した。そのうえで、郵便局ネットワーク維持・活用のための交付金拡充も今回の改正に盛り込まれており、郵便局が地域住民に身近な存在として地域を支える役割を果たせるよう、引き続き対応を進めていく姿勢を示した。