住友林業と京大 木造人工衛星実現へ、宇宙での木材曝露実験を完了

住友林業と京都大学は2023年5月12日、2022年3月から取り組んできた「国際宇宙ステーション(ISS)での木材の宇宙曝露実験」で、約10か月間の宇宙空間での試験を完了したと発表した。木材の優れた耐久性を確認し、2024年に木造人工衛星の打上げを目指す。

宇宙暴露実験ではヤマザクラ、ホオノキ、ダケカンバの3樹種について、極端な温度変化、原子状酸素の衝突、銀河宇宙線、太陽エネルギー粒子の影響を検査。「予想に反し外観上に極端な劣化は認められず、木材の利用拡大への可能性を再認識する結果となった」(京都大学)という。

住友林業と京都大学は2020年に「宇宙における樹木育成・木材利用に関する基礎的研

究」に共同であたる研究契約を締結、木造人工衛星(LignoSat)の打ち上げを目指し開発を進めている。今回の木材曝露実験を踏まえ、1号機に使用する樹種としてホオノキを決定。2024年2月以降の木造人工衛星打上げと運用開始を予定する。

ニュース3木造人工衛星

ISSでの木材の宇宙曝露実験の模様