グランドグリーン社のゲノム編集高糖度トマト 米国で規制対象外に
愛知県名古屋市に拠点を置くアグリバイオスタートアップ、グランドグリーン株式会社が開発したゲノム編集高糖度トマトが、米国農務省(USDA)から「7 CFR パート 340 に基づく規制対象とはみなされない」と判断された。これにより、このトマトが植物有害生物ではなく、外来遺伝子配列も持たないことが公的に認められたかたちだ。
USDAが規制対象外と判断
この判断は、USDAの動植物検疫局(APHIS)が「Am I Regulated?(AIR)」プロセスを通じて下したもの。2025年6月25日に公表されたこの決定により、グランドグリーンが開発した高糖度トマトは、従来の遺伝子組み換え作物とは異なる扱いを受けることになる。 今回の成果は、名古屋大学大学院生命農学研究科の白武勝裕教授のグループの研究を応用して生まれた。
グランドグリーン社が開発した高糖度トマト(プレスリリースより)
ゲノム編集の標準化を推進
グランドグリーンは、「Envision Future Plants 〜未来の植物を描こう」をスローガンに、次世代の農業と食の創造を目指す研究開発型企業。創業以来、あらゆる作物でゲノム編集技術を利用可能にすることで、植物育種産業における同技術の標準化を推進している。 現在、トマトやイネを含む10種類以上の作物で、ゲノム編集技術を実用品種に適用することに成功している。同社は今後も、作物種苗の迅速な開発を通じて社会に貢献していくとしている。