チエル、学校DXを歯車のように噛み合わせる「TeachGear」始動
学校教育向けICTソリューションを手がけるチエル株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長執行役員:川居睦)は2026年6月23日、新シリーズ「TeachGear(ティーチギア)」の第一弾として「TeachGear 公用スマホツール」と「TeachGear 週案ツール」の2製品を同年9月にリリースすると発表した。
「TeachGear」は、小学校・中学校・高等学校(K12)の学校DXを支援するソリューションシリーズだ。個々のDXソリューションが歯車(Gear)として噛み合い、学校全体を円滑に動かしていくことをコンセプトに命名された。先生にとって頼りになる「強力なデジタル装備一式」となることを目指し、校務の効率化を通じて教員が子どもたちに向き合う時間を増やすことを主眼に置いている。
AIが不適切写真を自動検知する「公用スマホツール」
近年、学校現場では行事や活動の記録、保護者・教職員間の連絡、緊急時対応、ゼロトラスト環境下での多要素認証など、学校が管理する公用スマートフォンを活用する機会が増えている。組織として運用する公用端末では、撮影した写真の適切な管理やデータのセキュリティ確保、教職員間の迅速な連絡手段の整備が欠かせない。「TeachGear 公用スマホツール」はこうした課題に応え、先生が安心して公用スマートフォンを使える環境を提供する。
主な機能の一つが、AIを活用した写真の自動判別とアラート機能だ。先生が撮影した写真はGoogleドライブの専用フォルダに保存され、AIが「露骨な性表現」「性的示唆」「暴力・残虐」「グロテスク(医療)」「改ざん・加工」の5つの評価軸で自動的に定量分析・リスク診断を行う仕組みになっている。不適切な写真が検知された場合には、校長などの管理者にGmailまたはGoogle Chatで即時アラートが届き、対象の画像をすぐに確認できる。AIはチエルが用意する環境内で動作するため追加費用は発生せず、写真データがAIの学習に使用されることもないとしている。
もう一つの主要機能が内線機能だ。校内の無線LANを利用して教職員間の連絡や一斉通知が可能で、SIMカードがなくても校内で連絡が取れる。緊急時の連絡や、あらかじめ指定した校務分掌などのグループへの一斉連絡にも活用でき、内線アドレス帳で組織内の連絡先情報を一覧で把握できる。
週案デジタル化で年間14.3時間の削減効果も見込む「週案ツール」
学校現場では、企業内で一般的なオンラインスケジュール管理ツールが週案の作成・管理に馴染みにくく、紙やExcelで個別に作成・管理するケースが長年続いてきた。「TeachGear 週案ツール」は、Googleスプレッドシートを活用してクラウド上で週案をデジタル化する、週案作成運用支援・時数管理ツールだ。クラウドで運用するため職員室以外の場所からも利用でき、同一学年の教員間や通常学級・特別支援学級の教員間での週案の共有も実現する。各クラスの進捗や交流及び共同学習の状況、毎月の時数を、関係する教員がいつでも確認できる点も特徴だ。
週案のデジタル化によって手作業の時数計算や転記ミスを防げるメリットも大きい。文部科学省の「学校における働き方改革事例集」には、デジタル化と各種連携ができる環境を構築することで1人あたり年間14.3時間の削減を実現した事例が掲載されており、同ツールはこうした業務効率化を後押しする。
入力方式は3種類から選べる。学校行事や日課、時間割・単元指導計画をあらかじめ登録しておけば週案が自動作成される「全自動」方式、基本時間割のみを自動反映する「一部自動化」方式、紙への記入に近い「手動入力」方式の3段階で、ICT操作に不慣れな教員でも無理なく導入できる。入力内容はボタン一つで復元でき、カット&ペーストで過去の行事や単元計画をコピーすることも可能で、学校全体での運用を後押しする設計となっている。
チエル株式会社は東証スタンダード市場に上場(コード番号:3933)する教育ICT専業メーカーで、シェアNo.1のフルデジタルCALLシステムや授業支援システム、クラウド型教材配信サービスなどを展開してきた。今回の「TeachGear」シリーズは、同社が掲げる企業理念「子供たちの未来のために、世界中の先生をICTで支える」のもと、授業支援にとどまらず学校運営全体のDXを推進するシリーズ第一弾として位置づけられている。