農水省食かけるプライズ2023 果樹園レストランほか10事例を表彰

農林水産省の「食かけるプライズ2023」は、2023年9月27日、10の表彰事例を発表した。国内の食とアート・歴史など異分野を組み合わせた体験事例を募集し、優れた事例を表彰する。今回は5月から7月にかけての応募期間に108件の応募があった。

2023年の食かける大賞は、長野県の一般社団法人南信州まつかわ観光まちづくりセンターによる「果樹園の中の野外レストラン体験」が受賞した。リンゴ・ナシ・さくらんぼなどの果物の栽培が盛んな長野県松川町で、果樹農家とともに農園を散策した後、屋外のテーブルで地元産の食材を使ったフレンチを食べるプログラムだ。同町での100年の歴史がある果樹栽培について農家から聞くことができる。

食かける賞は、青森県の農家グループ、梵珠のもつけんどによる「美味しい林檎ナイトツアー」、須藤牧場(千葉県館山市)の「伝統を味わう! 歴史と食の酪農体験」など7事例が選ばれた。「美味しい林檎ナイトツアー」は、青森県五所川原市梵珠山麓のりんご園を、収穫期の夜にライトアップし、地元産の市浦牛や馬肉、野菜をバーベキューで提供する。地元産のシードルを飲みながら、夜のりんご園に浮かぶりんごを観賞するナイトツアーで、りんごのもぎ取りもできる。「伝統を味わう! 歴史と食の酪農体験」では、日本の酪農が始まった千葉県で4代続く牧場で、乳しぼりやバター作り、牛乳の飲み比べを体験する。江戸時代に牛乳を煮詰めた「白牛酪」が飢餓を救った歴史や、現代の6次産業化へのチャレンジなども学べる。

また、応募時点で商品化されていない体験事例を対象とした「ネクストブレイク賞」にはSon&Heir(北海道上川郡鷹栖町)の「日本最北のジン専門蒸溜所での体験」と、やながわ(兵庫県丹波市)による「丹波おはぎを盛り付け日本の食文化を味わう」が選定されている。

食かけるプライズは、食かけるプロジェクトの一環として実施されている。このプロジェクトは、訪日中に食に関わる体験をした外国人が帰国後も日本の食を再体験できるような環境整備を図り、日本産農林水産物・食品の輸出拡大を目指すもの。2023年で開始から5年目になる。

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松川町_食かける