世界初 土壌団粒単位での微生物シングルセルゲノム解析に成功 農研機構

(※本記事は「JAcom 農業協同組合新聞」に2025年9月16日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

農研機構は、東北大学、愛媛大学、bitBiome株式会社との共同研究で、微生物の住処である「土壌団粒」の一粒単位でのゲノム情報を、シングルセルゲノム解析により世界で初めて明らかにした。この成果は、土壌微生物の機能を活用して農地で発生する温室効果ガスの無害化の研究開発を行っている過程で得られたもので、土壌構造と微生物生態の解明を通して、温室効果ガスの無害化対策につながることが期待される。

図:土壌団粒中の孔隙(黄色土)
図:土壌団粒中の孔隙(黄色土)(※画像クリックで拡大)

温室効果ガスの一つである亜酸化窒素(N2O)は、二酸化炭素の約300倍の温室効果を持ち、窒素肥料を大量に消費する農耕地土壌が最大の人為的発生源とされる。

土壌には、多種多様な微生物が存在。それらの遺伝情報をまとめて調べる方法(メタゲノム解析)により、土壌微生物が土壌中での有機物の分解、養分の放出、ガス交換など、重要な物質循環機能を担い、農業や環境の健全性を支える重要な役割を持っていることが分かってきた。

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